佐藤琢磨が「No attack No chance」を貫く理由 “米国の家族”が語る素顔とは
絶え間ない努力と向上心、根底にある人柄が佐藤琢磨の魅力
佐藤を支えるスタッフは皆、自分のことのように喜び、そして悔しさを表す。レーサーはバックシートにスポンサーやチーム、スタッフら多くの人の思いを乗せて走っている。フューセク氏は「琢磨はそれをよく理解している。だからこそ周囲への気配りを忘れないのだが、あそこまでできる人はなかなかいない」と感心する。インディ500を制した際、佐藤は同氏をビクトリーランに誘った。
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「インディアナ州出身のアメリカ人はみんなインディ500を観て育った。父と一緒にレースを観に行ったり、ラジオを通して自分がチャンピオンになる姿を想像したりしたものさ。琢磨が勝った時、一緒にビクトリーランに参加させてもらった。今まで経験したことのないほどすばらしいものだったし、あの時の景色は忘れない。彼にはそういう優しさがある」。絶え間ない努力と向上心、そして根底にある人柄。これが佐藤琢磨というレーサーの魅力なのだろう。
フューセク氏はその時撮った写真を携帯電話のカバーにして、今も大事に持っている。そこには佐藤のサインとともに、次の言葉が添えられてある。
「Dream come true」
(岡田 弘太郎 / Kotaro Okada)