“控えGK”のメンタル術 元日本代表が語る心構えとチームにもたらす影響
3人の“小さな集団”だからこその緊張感
「自分は第3GKなんだ、という気持ちは持っていなかったですね。負けたくないという姿勢を出すことが、結果的にチーム全体に対しても好影響を及ぼすんです。シュート練習一つをとっても、僕が簡単にゴールを入れられているようでは、他のふたりが『コイツにはポジションを奪われないよな』という気持ちになってしまいかねない。もし試合に出られないとしても、自分自身が常に100%のプレーを見せることで、ナラや能活もより一層集中してトレーニングに取り組むことになりますからね」
代表に招集されたからにはレギュラーを目指す。もし自らを控えと位置づけてしまえば、自身のプレーパフォーマンスだけでなく、3人の関係性にも問題が生じてしまうという考えを強調していた。
GKはチーム練習で、GKだけでトレーニングを行う時間やメニューが多い。“小さな集団”だからこそ、お互いが切磋琢磨し合う姿はダイレクトに伝わり、組織に緊張感や向上心をもたらすという。
「もちろんトレーニングでは常にアピールをしていなければ、試合に出るチャンスは巡ってきません。それを日々積み上げて、いつチャンスが来てもいいように準備しておかなければならない。もし正GKにアクシデントがあって出番が回ってきた場合、その数少ないチャンスで正GKよりも優れた部分、そして自分の100%以上の力を出さなければ、再び控えに甘んじてしまう可能性は高いですから」