冬季五輪の新競技「スキーモ」の魅力とは 開幕まで8か月、初の広域開催ミラノ・コルティナ五輪の今――組織委員会・丸山尚子さん

不完全燃焼の東京五輪をバネに「五輪を文化交流、地域交流の場に」
そんな欧州での大会で、丸山氏はやりたいことがあるという。世界中から集まる選手たちと地域との交流だ。東京大会は、新型コロナ禍で思い描いた大会とは違うものになってしまった。だからこそ、ミラノ・コルティナ大会では本来の大会にしたい。
【注目】日本最速ランナーが持つ「食」の意識 知識を得たからわかる、脂分摂取は「ストレスにならない」――陸上中長距離・田中希実選手(W-ANS ACADEMYへ)
「オリンピックって、ただスポーツで競い合うだけではなく、文化交流、地域交流の場でもあると思うんです。東京大会の時は担当国といろいろな準備をしてきたけれど、それが実現できなかった。すごく残念でしたし、だから不完全燃焼なんです。今回は、ぜひ実現させたいと思っています」
もちろん、日本選手の活躍にも期待する。まだまだ日本では冬季競技がマイナーとはいえ、最近の大会での活躍は目覚ましい。種目数が飛躍的に増えていることもあって、22年北京五輪では金メダル3個を含み過去最多のメダル18個を獲得。フィギュアスケートやカーリングなど、絶大な人気を誇る競技もある。
「スピードスケートもありますしね。雪もスノーボードは平野歩夢選手ら日本は世界の強豪です。スキーもジャンプや複合、モーグルなどが頑張っている。自分の出身スポーツであるアルペンだけが、もう1つなんですよね(笑)」
22年北京大会まで日本は冬季五輪で76個のメダルを獲得している。最多はスピードスケートの26個で次はスキージャンプの14個。冬季五輪の「華」でもあるアルペンスキーでは過去1個しか獲得していないが、その1個が1956年コルティナダンペッツォ大会男子回転で猪谷千春が日本の冬季五輪史上初めて手にしたメダル(銀)だった。
「アルペンはヨーロッパが圧倒的に強いんですが、猪谷さんがメダルを獲得して以来のコルティナダンペッツォでの大会ですから、日本選手にも頑張って欲しいですね」
ミラノ・コルティナ五輪は来年2月6日、パラリンピックは同3月6日に開幕する。「あっという間ですよね」と丸山氏。大会を目指す雪と氷の選手たちと同じように、大会を支える裏方たちも最後の熱い夏を迎える。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)










