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12番人気、単勝4650円の関東馬に◎のワケ 1.4万円→50万円に、ハマった天皇賞・春の「好走パターン」

合致した天皇賞・春の好走パターンとは

 4月になっても的中する気配はなく、迎えた桜花賞。この週は競馬予想TV!に出演する予定はなかったのだが、スタッフから「緊急事態」というタイトルでメールが届く。もともと出演予定だった水上さんが急病で出演できなくなり、代打で出演してもらえないかとのこと。あまり乗り気ではなかったのだが、私でよければということで出演させていただいた。その結果、◎ジェルミナルが3着に入り、複勝のみだったが的中。そう、このレースでミスターゼロから脱却できたのだ。

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 翌週の皐月賞。◎アンライバルドで単勝が的中して、少しずつ波に乗ってきた状態で迎えた天皇賞・春。1番人気は2007年の菊花賞馬で、5歳になったアサクサキングスだった。2009年は京都記念、阪神大賞典と連勝中。最上位人気にふさわしい実績を残しているとは思ったが、調教的に狙いたかったのが、美浦所属馬のマイネルキッツ。本来なら自分の眼で追い切りを確認することができないのだが、栗東に滞在していたので、調整の様子を把握していた。

 天皇賞・春は追い切り本数の多い、タフな調教を消化した馬が好走するレース。美浦で2本の追い切りを消化した後、栗東へ移動してからも坂路とDW(現DP)でたっぷりと追い切りを消化して、調教適性も合致。さらにフルゲートで行われた天皇賞・春では最終追い切りの併せ馬で「先着」していることが高回収率の調教パターンだった。マイネルキッツは最終追いがDWでダノンカモンと併せて先着。松岡正海騎手が跨った、あの時の追い切りは今でも脳裏に焼き付いている。ちなみに他で最終追い先着はアルナスラインとアサクサキングスしかいなかった。

 これに追い切り本数が多かったドリームジャーニーを加えた4頭に印を打ち、馬券を組み立てる。12番人気の単勝と複勝、3連複は1頭軸の相手3頭、3連単は1着固定で相手3頭。レースは道中内で脚を溜めたマイネルキッツが直線で抜け出し、アルナスラインとの競り合いをクビ差制した。3着にドリームジャーニーが入り、1万4000円の投資で50万2600円の回収。どん底からトップ争いに加わるまでジャンプアップした。

 最終的にタイトルを獲ることはできなかったが、まさに波乱万丈のシーズンだった。それ以降、天皇賞・春は相性の良いレースとなり、2012年は単勝1.3倍の○オルフェーヴルがぶっ飛んで、◎ウインバリアシオンから▲ビートブラックで3連複的中。1万円が19万4280円になった。しかし、近4年は3着以内がすべて単勝6番人気以内と平穏な決着。馬券成績はここに書くまでもない。

(井内 利彰 / Toshiaki Iuchi)

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井内 利彰

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。競馬予想TV!(フジテレビONE)に出演中。JRAの競馬場、ウインズのイベントに出演し、JRA主催のビギナーズセミナーの講師としても活躍。著書に「競馬に強くなる調教欄の取扱説明書」「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」などがある。

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