巨人退団から3年、陽岱鋼の頭にある“退き時” 38歳が挑戦続ける理由「時間が足りない」明かした将来の夢
異国で歩み続けたプロ人生が、ついに20年目を迎える。台湾出身の陽岱綱外野手は、今季もNPBの2軍イースタン・リーグに参加するオイシックスでプレーする。昨秋には、12球団合同トライアウトの場に突然現れファンを驚かせた。さらにこの春は、初めて坂本勇人内野手(巨人)との自主トレを敢行。38歳になった今も、新たなことに挑み続ける理由を教えてくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)

トライアウト参加に坂本との自主トレ「まだやってないことがある」
異国で歩み続けたプロ人生が、ついに20年目を迎える。台湾出身の陽岱綱外野手は、今季もNPBの2軍イースタン・リーグに参加するオイシックスでプレーする。昨秋には、12球団合同トライアウトの場に突然現れファンを驚かせた。さらにこの春は、初めて坂本勇人内野手(巨人)との自主トレを敢行。38歳になった今も、新たなことに挑み続ける理由を教えてくれた。(取材・文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
飛び出した海外での経験が、野球への欲に火をつけた。陽は2021年限りで巨人を自主退団すると米国に渡った。独立リーグの、時には10時間を超えるようなバス遠征もある中で白球を追った。日本ハムで共にプレーした大谷翔平投手(ドジャース)のような、華々しい海外挑戦ではない。それでも野球の原風景のような場所で、得た経験は大きかった。
「2年間アメリカ行って感じたのは、やっぱり野球って楽しいな、素晴らしいなということでした。今ここ(オイシックス)に来て改めて思いますし。アメリカやオーストラリアでやったから余計に、また勉強しようってなるんですよ。こっちでは言葉も通じますし。そこで色々吸収できるのが本当に楽しい。そう考えると、やってないことがまだまだたくさんあるんです」
昨秋は12球団合同トライアウトの場に現れ、打席に立った。「今回で終わりだって聞いて。出たことがなかったから」という理由だった。そして年が明けてからは、坂本との自主トレ。2018年にも計画したが、陽に子供が誕生したこともあり流れてしまった。「一番いいと思う選手と、一緒にトレーニングしたことがないなと思って」。誕生日の1月17日に家族と過ごせないのだけはちょっぴり残念だったが、沖縄で2週間ほど心身を追い込んだ。発見もあったという。
「実績を見ても、誰が見ても素晴らしい選手だと思うんですよ。それでもいまだに、基本の練習をするんです。ボールを捕る、投げる。バットを振ると。やっぱりこれ、やらないといけないよなと思って。実績を残しても、今までやってきたことを継続しているんですね。勇人はそれを、時間をかけてやるからめっちゃキツい。でもやり続けないといけないんですよ」
陽は2006年に日本ハムでプロ野球人生をスタートさせた。今季が20年目だ。その間守り通している「基本」がある。