韓国プロ野球チームが選手に突き付ける“日本との差” 成長促す宮崎での日々「まず己を知って…」

斗山の監督はイ・スンヨプ、日本人コーチも続々加入の理由
交流のスタートは、新たなキャンプ地を探していた20年ほど前にさかのぼる。ソフトバンクを通じて宮崎の地元関係者を紹介されたものの、施設に空きがなかった。まずフェニックス・リーグに参加し、機会を待った。
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その過程で、日本のチームと試合をして得られる選手の成長が想像以上だったのだという。「韓国内で大学生チームや国内リーグのチームとやるより、レベルの高いチームと対戦できると感じました。外に出て、試合をしながら選手に己のレベルを知ってもらいたいという思いで参加してきました」。さらに、その経験を定着させる工夫もしている。
斗山ではフェニックス・リーグに参加した若手選手に、日本の選手との違いをどう感じたかというレポート提出を求めているのだという。「若手選手が自身でレベルの違いを感じ、話をするのです。韓国の野球の歴史も長いですが、日本とはまだレベルの差があります。練習試合で交流しながら、レベルアップしたいと考えています」。継続した学びが、チームを強くしてきた。
また斗山では2023年から、かつて千葉ロッテや巨人、オリックスでプレーしたイ・スンヨプ氏が指揮を執り、元巨人の後藤孝志コーチが在籍。さらに今季からは2軍統轄(2軍監督に相当)に中日や楽天で指導者、フロントを歴任した仁村徹氏、2軍投手コーチに元近鉄、西武の小野和義氏が就任する。日韓のコーチには指導の面で、どのような違いがあるのだろうか。
「見る目が違うと思います。フォームを見て、どのように練習で修正するかを提示するのが速い。多くの経験があるからだと思います」。仁村氏と小野氏には、日本語が堪能な団長自ら声をかけた。期待の大きさが伝わってくる。