村元哉中・高橋大輔がリンクに立ち続ける理由 「また来たい」を求め…根底にフィギュア界の未来への情熱

「見に来て良かった」と心から思ってもらえるパフォーマンスを
――村元さんはいかがでしょうか。
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村元「私はフィギュアスケート教室もやらせていただいています。私たちが小さい時はトップスケーターに習う機会なんて本当になかったので、そういったところは少し手助けできているのかなと思います。ただ、きっとできることはまだまだある。大ちゃんがプロデュースするショーも含めて、それこそ今回の『スターズ・オン・アイス』も見に来てもらって、スケートの良さを伝えることが一番早い。ショーを見に来てもらったり、スケート教室に来てもらったりというところから一つずつ積み上げていかないと。それはこれからもずっと課題になると思っています」
――実はアイスショーも現役スケーターにとっては出演費が競技生活の資金になるなど、ファンが選手を支えることに繋がる側面もあります。アイスショーがスケーターたちにもたらす意味も少なくないですね。
高橋「僕自身、若い時はアイスショーの数があまりなかったですが、だんだんと出させてもらえるようになり、たくさんの経験をさせてもらいました。お客さんの反応を生で感じられるので『自分はこういうものを求められているのか』とか、他の方のスケートを見られるので『こういうスケートをするとお客様喜んでくれるのか』とか、いろんな発見がありました。
人前で滑ることはスケーターにとってそれだけ大切なこと。自分のスタイルを作っていったり求めていったり、知らず知らずに若いスケーターたちは感じて、お客さんと一緒にどんどん成長していける。僕自身はそうでしたから。試合とは表情や演技の見せ方も違うので、ファンの方からしてもいろんな発見があるので、『この選手を応援したいな』と思える機会にもなります」

村元「競技だとリンクがあったら(一角で座っている)ジャッジさん(審判員)へのアピールになりがちだけど、アイスショーだと360度、さらに(客席の)上のところまでアピールしていく。その中で、もっと完成度を高めて競技につなげていくだけじゃなく、アイスショーはお客様がショー自体にお金を払って見に来ていただいているので、『見に来て良かった』と心から思ってもらえるパフォーマンスをしないといけない。だからこそ、私たちもアイスショーへの熱量は競技の時とはちょっと違うかもしれない。もっと熱いくらいなので、それを感じてもらえたら嬉しいです」
■アイスショー「スターズ・オン・アイス」
1986年に北米でスタートした世界最高峰のアイスショー。歴代冬季オリンピックや世界選手権のメダリストによるグループナンバーや豪華コラボレーションなどが見どころで、今年は浅田真央さんが9年ぶりに参加。村元哉中さん&高橋大輔さんのほか、現役の日本選手では島田真央、坂本花織、三浦璃来&木原龍一(大阪公演のみ)、樋口新葉、千葉百音、佐藤駿、壷井達也、友野一希、中田璃士らの出演が決定している。大阪公演は4月5日(土)、6日(日)に東和薬品RACTABドームで、札幌公演は4月12日(土)、13日(日)に札幌市月寒体育館スケート場で開催される。
(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)