箱根区間14位からマラソン界の新星に 「高校・大学も実績は…」25歳近藤亮太、道を切り開いたアポなし参加
高校・大学で目立つ実績はなし「思い込み、自分への期待だけで…」
「自分は距離が延びれば延びるほど勝てる」
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中学生の頃に、800メートルや1500メートルでどうしても勝てなかった選手に距離が長い3000メートルで勝った時に近藤はそう思ったという。「高校・大学と実績はなかったけど、その思い込み、自分への期待だけでここまでやってこれました」。本人も語る“長距離への想いの強さ”が初マラソンの大舞台で花開いた。
そんな教え子を黒木監督は「自分で考えてできるタイプの選手。今回はびっくりしたけど、コンスタントに5分台、6分台を出せると更に飛躍できると思う」と評する。一方、日本陸連の高岡寿成シニアディレクターは、「落ち着いてレースを進めていた。最後は力の入るいいレースを見せてくれた」と評価した。
三菱重工では、ロンドン世界陸上代表の井上大仁、ブダペスト世界陸上代表の山下一貴ら強豪がひしめく環境で練習してきた。1月には彼らと共にニュージーランド合宿を敢行。「準備の仕方だったり、走っている時の苦しさにどう対処するかなど、マラソンに関するノウハウを先輩方から学んだ」と自信を掴んで、大阪の地に乗り込んできた。
9月の世界陸上に向けては、東京マラソンに出場する井上、山下らとも争う形となるが、「(もし選ばれたら)日本代表の名に恥じない走りをしたい」と力強く語った近藤。ロス五輪でのメダル獲得を目指す男子マラソン界に、楽しみな新星が現れた。
(梅本 タツヤ / Tatsuya Umemoto)