箱根区間14位からマラソン界の新星に 「高校・大学も実績は…」25歳近藤亮太、道を切り開いたアポなし参加
9月の東京世界陸上男子代表選考を兼ねた大阪マラソンが24日、大阪府庁前スタート、大阪城公園内ゴールの42.195キロで行われた。イフニリグ・アダン(エチオピア)が2時間5分37秒で優勝。近藤亮太(三菱重工)が、日本歴代5位となる2時間5分39秒で日本勢最上位となる2位となった。順天堂大時代に唯一走った箱根駅伝では区間14位。高校、大学と目立った実績がなかった遅咲きの新星は、持ち前のメンタルの強さを武器に、初のフルマラソン挑戦を笑顔で駆け抜けた。

初マラソン日本最高記録、遅咲き人生を支えた武器は鋼のメンタル
9月の東京世界陸上男子代表選考を兼ねた大阪マラソンが24日、大阪府庁前スタート、大阪城公園内ゴールの42.195キロで行われた。イフニリグ・アダン(エチオピア)が2時間5分37秒で優勝。近藤亮太(三菱重工)が、日本歴代5位となる2時間5分39秒で日本勢最上位となる2位となった。順天堂大時代に唯一走った箱根駅伝では区間14位。高校、大学と目立った実績がなかった遅咲きの新星は、持ち前のメンタルの強さを武器に、初のフルマラソン挑戦を笑顔で駆け抜けた。
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「大阪城公園に入って、先導のバイクが目の前にいて……すごくいい時間だなと思って走ってました。ゴールラインが見えてからは逃げ切るつもりでスパートをかけたけど、一歩及ばず負けてしまって、走り終わって、今悔しい思いが出ています」
近藤は、ゴール手前までアダンと繰り広げたデッドヒートを、そう振り返った。スタートから先頭集団でレースを進めると、33キロ付近で1度先頭から遅れるも、その後に集団に再合流。39キロ付近では日本記録保持者の鈴木健吾らを置き去りにすると、残り1200メートルで先を行っていたエチオピア勢を一気に抜き去った。
最後の直線ではアダンに競り負けたものの、今月2日の別府大分毎日マラソンで若林宏樹(青学大)がマークした初マラソン日本記録を更新。レース前に目標と語った2時間8分を大幅に上回り、「世界陸上を狙っていたわけではないのでびっくりしてるところはある」と笑顔をはじけさせた。
長崎県出身の25歳の新星の武器はメンタルの強さだ。地元・島原高を経て進んだ順天堂大では、4年時の22年にようやく箱根駅伝に初出場し10区区間14位。目立った実績は残せなかったが、故郷に拠点を置く三菱重工の合宿にアポなしで飛び入り参加する強心臓ぶりを見せた。
黒木純監督は「びっくりした」とその時の事を振り返るが、「練習では本当に強かった。伸びしろがあると思った」と、その才能を見出され、実業団入りを勝ち取った。この日も「40キロ手前からは両脚が痙攣」した状態だったというが、鋼のメンタルで耐え抜き、スパート勝負に持ち込んだ。