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44歳で退任→海外初挑戦 日本一2度、バスケ川崎・佐藤賢次前HCが人生の転機で大切にした感情

バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、前身の東芝時代から数々のタイトルを獲得してきた名門チーム。2016年9月のBリーグ発足以降も、毎シーズンのように優勝候補に挙げられてきた。そんな国内屈指の強豪を、ヘッドコーチとして5シーズン率いた佐藤賢次氏は、退任後の昨夏に周囲が驚く決断をする。ドイツのクラブ、MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのアシスタントコーチ就任を発表。44歳にして、自身初となる海外での指導者生活をスタートさせた。

昨夏ドイツ挑戦を表明した佐藤賢次氏。川崎に籍を置きながらルートヴィヒスブルクのACを務めている【写真:Sandy Dinkelacker】
昨夏ドイツ挑戦を表明した佐藤賢次氏。川崎に籍を置きながらルートヴィヒスブルクのACを務めている【写真:Sandy Dinkelacker】

川崎ブレイブサンダース前HC・佐藤賢次氏インタビュー前編

 バスケットボールBリーグの川崎ブレイブサンダースは、前身の東芝時代から数々のタイトルを獲得してきた名門チーム。2016年9月のBリーグ発足以降も、毎シーズンのように優勝候補に挙げられてきた。そんな国内屈指の強豪を、ヘッドコーチとして5シーズン率いた佐藤賢次氏は、退任後の昨夏に周囲が驚く決断をする。ドイツのクラブ、MHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのアシスタントコーチ就任を発表。44歳にして、自身初となる海外での指導者生活をスタートさせた。

 新年を迎えた1月初旬、ドイツで刺激的な日々を送っているという佐藤氏を直撃。前編では昨シーズン限りでのHC退任と、人生初の海外挑戦を決意した背景に迫った。(取材・文=青木 美帆)

 ◇ ◇ ◇

 2019-20シーズンから5シーズンにわたって川崎ブレイブサンダースのヘッドコーチ(HC)を務め、天皇杯連覇、4度のチャンピオンシップ(CS)出場という成績を残した佐藤賢次は今、ドイツのルートヴィヒスブルクにいる。岡崎慎司や遠藤航(現リバプール)ら歴代のサッカー日本代表選手が在籍したことで、日本でも知名度が高まったシュトゥットガルトから車で約30分の距離にある、美しい宮殿が有名な人口1万人足らずの小さな街だ。

「今、ちょうど太陽が上がり始めたところです。7時くらいだと真っ暗。だから、なかなか起きられないんですよ」

 リモートインタビューが始まった日本時間の16時は、ドイツでは朝の8時。気温はマイナス方向に振り切れ、自動車のフロントガラスはもれなく凍っているという。

 佐藤はそんな街で長男の慎之助くんと2人暮らしをしながら、BBL(バスケットボール・ブンデスリーガ)1部に所属するMHPリーゼン・ルートヴィヒスブルクのアシスタントコーチ(AC)を務めている。

 日本を離れ、ドイツでコーチになるというアイデアは突然、思いもよらぬところから生まれた。

 2023-24シーズンをBリーグ開幕以降、クラブ史上初となるCS不出場という結果で終えた昨年5月初旬、佐藤のヘッドコーチとしての任期は昨季限りと決まった。今後の身の振り方を決めるまでに少し猶予が与えられたなか、佐藤は千葉ジェッツとのヘッドコーチ契約が満了したばかりのジョン・パトリックから食事の誘いを受けた。

 パトリックは15年以上にわたってドイツで指揮官を務め、川崎の宮崎哲郎ACもドイツと千葉Jで彼の薫陶を受けていた。佐藤は宮崎を介してパトリックとの知己を得て、連絡を取り合う仲になっていた。

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