高橋大輔との出会い、三原舞依との友情…もう全日本は「場違い」じゃない 三宅咲綺を強くした縁【全日本フィギュア】
三原、坂本、中野コーチ…絆で繋がった全日本9位
岡山理科大の4年生。中野園子コーチに師事し、同門の坂本、三原らとともに技術を磨いてきた。
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三宅を間近で見てきた三原は、SPの演技後に「ほんっとうに頑張っていたので。凄く自信を持って咲綺ちゃんを見ていた」と称賛を惜しまなかった。
SPは26番滑走が三宅、27番滑走が三原。6分間練習を終えた三原は、控室で三宅の演技に送られる歓声を聞いて安心したという。
「あ、大丈夫だと思って。(自分の)リンクインの前にも咲綺ちゃんの満面の笑みが見られたので、私は凄く幸せで。頑張っている姿を見ていたので嬉しかったです」
その三原は右足首と股関節の状態が悪化したため、フリーに挑むことなく棄権している。全日本前から痛む足を懸命にケアし、トレーニングに励む姿を見ていただけに、三宅にとっても悔しい出来事だった。
その後、2人はLINEでこんなやり取りをしている。
三宅「早く治して、舞依ちゃんのやりたい演技ができることを祈ってるよ」
三原「咲綺ちゃんならできるよ、頑張って」
練習時間が重なることが多かった坂本からも「頑張ってね、絶対いけるよ!」とフリー前に激励された。中野コーチも「一緒に美味しいもの食べに行くよ!」とらしくリンクに送り出してくれた。一人じゃない。その事実が自信を揺るぎないものにした。
「ここ3~4年、強化選手に戻ると言って達成できていなかった。この1年頑張ってきてよかった」
手応えを感じた一方で、日本女子の選手層の厚さも思い知った。3回転アクセルも跳べるが、この全日本では披露するに至らず。「ここで満足せずにもっと高みを目指したい。まだジャンプの難易度も低いし、もっともっと種類を増やしたりしたら戦えるんじゃないかと思う」。絆、縁から得た十分なパワーを、来年の更なる飛躍に繋げる。
(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)