苦闘、批判…ラグビー世界8強奪還への萌芽の検証 司令塔が物足りぬ新生日本代表で評価すべき才能
シーズン最終戦のイングランド戦は再び試練の戦いに
ようやく勝利を手繰り寄せた日本代表だが、シーズン締めくくりとなるイングランドとの今季2度目の激突は、再び試練の戦いになる。今秋はニュージーランド、オーストラリア、南アフリカと3連敗。夏からのシーズン通算でも、6月の日本戦勝利以降は5連敗中と、辛辣なイングランドメディアの格好の餌食となっているが、ウルグアイ戦の日本代表同様に“世論”だけに流されてはいけない。全て強豪との5敗の中で、4試合が7点差までの惜敗で、残る1試合も世界王者南アフリカ相手に20-29のゲームを演じている。
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イングランドを率いるスティーブ・ボーズウィックは、2015年までエディーの右腕として代表アシスタントコーチも務め、日本のラグビーを熟知している。セットの強さ、個々のフィジカルの激しさを武器に、スピードをサイズとパワーで封じ込めるラグビーを仕掛けてくるのは明らかだ。この、巨岩のような相手に、立川、坂手淳史(埼玉WK)、李承信(神戸S)ら刻々と実績組を怪我等で失い、FWの核に成長しつつあるワーナーをレッドカードで欠くことになる苦境のチームが、どこまでウルグアイ戦で見せた「点」から「線」になりつつあるジャパン流のスタイルを貫くことが出来るか。
2か月ぶりの勝利がチームにもたらした収穫を確かめる、シーズン最後の80分が近づいている。
(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)