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渡邊雄太、NBAデビューから3か月の今、本契約を勝ち取るための本当の課題とは?

ディフェンス面はすでにNBAレベルも、課題は「シュート力の向上」

 そんな渡邊は、2019年をどんな年にしていきたいのか。今後に目指すべきは、やはり「NBAの本契約ゲット」「NBAでのローテーション入り」だという。ただ出場するだけでなく、日本人選手としては前人未到と言える“戦力としてのNBA定着”が大目標となるのだろう。

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「そのためにはもっとシュート力を上げなければいけません。Gリーグでも最近はシュートの確率が落ちている。3ポイントシュートを安定して決められるようになってくれば、コーチももっと僕を使いやすくなってくると思います。そして、ディフェンス面でもさらに成長しなければいけませんね」

 いつもながら冷静な本人の分析通り、渡邊にとって今後の鍵となるのはロングジャンパーの精度向上だ。サビつきが感じられた2日のゲームで決まらなかったのは仕方ないが、Gリーグでのシーズン全体で見ても、FG成功率41.3%、3ポイント成功率31.6%は及第点とは言い難い。ディフェンス、リバウンドはすでに十分にNBAレベルに思えるだけに、あとはフリーで放つジャンパーをより高確率で決めたいところ。それさえできれば、いわゆる“3-D”のスペシャリストとしての価値は高まる。

 渡邊にとって、「ロングジャンパーの精度向上」がポイントになるのはこれが初めてではない。思い出されるのはジョージ・ワシントン大での4年生時。この年もシーズン全体での3ポイントシュート成功率は36.4%に過ぎなかったが、シーズンが進むごとに成績を向上させ、最後の8戦は43.2%という高数値だった。

 この成長ぶりがNBAスカウトたちに好印象を植え付け、卒業後に多くのチームからワークアウトに招待されることに繋がった。その時と同様、シーズン中盤からペースを上げられるかどうか。年齢的にも伸び盛りの24歳。プロとしての逞しさを感じさせるようになった今の渡邊なら、今後に数字を引き上げることは十分に可能なはずである。

(杉浦 大介 / Daisuke Sugiura)

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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