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銅メダル壷井達也「自分なりの道化師」の裏に世界女王も舌を巻く猛特訓 現役神戸大生、遊び捨てたスケート漬けの日々

辛い時期を乗り越え立った表彰台の景色が忘れられない【写真:荒川祐史】
辛い時期を乗り越え立った表彰台の景色が忘れられない【写真:荒川祐史】

「いろんなものを捨てて」スケートに没頭、表彰台の景色に感慨

 昨年のNHK杯では9位。ミス続きの悔しさから1年、リベンジを果たした。もう一つ。会場の代々木第一体育館は、2019年の全日本選手権で棄権という苦い経験をした場所でもある。

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「5年という長い年月を経てここに戻ってきましたけど、受験で一時期スケートに離れたり、神戸クラブに移ったり、いろんなことがあった。あの時怪我して、辛かった部分があったんですけど、諦めずスケートに向き合って努力してきて本当によかった」

 壷井は国立の難関・神戸大に通う4年生。怪我や受験を理由に、スケートから離れた時期もある。だからこそ本人も「ここまでスケートに懸ける大学生活になるとは思っていなかった」と驚きを口にする。

 旅行や遊び、周囲が大学生らしい時間を楽しむ間もスケートに没頭した。「いろんなものを捨てて、懸けてきたなと思います」。文武両道の生活は「しんどい」時期も当然あった。それだけに、表彰台から見た景色が忘れられない。

 2022年の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得しているが、シニアの舞台では厚い壁にぶつかっていた。「幸せでした。このために頑張ってきてよかった」。コーチからも目標にするには早いと言われたGPシリーズ初のメダル。自分を奮い立たせるため、ちょっぴり背伸びして口にしてきた場所に届いた。

 12月の全日本選手権へ向け、自信はより深まった。昨年は7位。当時の最終組との差は「まだある。でも、ちょっとずつ近づいてきているという実感もあります」。目指すはNHK杯以上の演技。その先に、望んでいる年明けの国際大会出場が見えてくる。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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