銅メダル壷井達也「自分なりの道化師」の裏に世界女王も舌を巻く猛特訓 現役神戸大生、遊び捨てたスケート漬けの日々
先週開催されたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯で、日本勢は男女シングル、ペアで計6つのメダルを獲得した。会心の演技を披露した一人が、男子シングル3位の壷井達也(シスメックス)。ショートプログラム(SP)で85.02点、フリーで166.50点、合計251.52点といずれも自己最高を叩き出し、銅メダルを獲得した。国立の難関・神戸大に通う4年生。受験等で競技から離れた時期もありながら、スケートに真摯に向き合い、歓喜の時を迎えた。
NHK杯でリベンジ、銅メダル壷井達也「泣きそうでした」
先週開催されたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第4戦・NHK杯で、日本勢は男女シングル、ペアで計6つのメダルを獲得した。会心の演技を披露した一人が、男子シングル3位の壷井達也(シスメックス)。ショートプログラム(SP)で85.02点、フリーで166.50点、合計251.52点といずれも自己最高を叩き出し、銅メダルを獲得した。国立の難関・神戸大に通う4年生。受験等で競技から離れた時期もありながら、スケートに真摯に向き合い、歓喜の時を迎えた。
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SP3位で迎えた9日、フリーの曲目は名スケーター・高橋大輔も演じた「道化師」。当日の公式練習で調子が上がらなくても、本番リンクに立った壷井の視線は上向きだった。
「あれだけやったから、できるだろ」。揺るぎない自信の源は猛特訓だ。
同門の坂本花織とは「たっちゃん」「かおちゃん」と呼び合う間柄。壷井の練習量には世界3連覇女王も舌を巻いた。坂本いわく、NHK杯に向けた曲かけ練習の比率は「たっちゃん、たっちゃん、たっちゃん、かお」。体力的に追い込み、限界に挑んできた。
「カギになる」とこだわり抜いたのが冒頭の4回転サルコー―3回転トウループの連続ジャンプ、そして続く単独の4回転サルコー。いずれも完璧に決めた。
勢いに乗った壷井を止めるものはない。ジャンプを決めるたびに、独特の緊張感漂う代々木のリンクが拍手に包まれる。「倒れてもいい」。終盤のコレオシークエンス、3回転フリップまで大きなミスのない演技。フィニッシュの瞬間、大歓声とほぼ同時に溢れる感情が爆発した。
「プログラムが終わった瞬間に泣きそうでした。(高橋には)全然及ばないですけど、自分なりの道化師をこのNHK杯という舞台に残すことができたんじゃないかと思います」。両腕を何度も振り下ろしてガッツポーズ。SPに続く自己ベスト更新で、悲願の表彰台に立った。