[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

ドラフト指名目指す30歳、2軍球団で気づいた投球の“真髄” 年齢と引き換えにつかんだ武器「失敗した数が…」

メキシコでプレーした当時、WBC代表のアロザレーナと腕組みポーズ【写真:本人提供】
メキシコでプレーした当時、WBC代表のアロザレーナと腕組みポーズ【写真:本人提供】

球速を捨てても速球派でいられる…データに出ない唯一の要素とは

 今季途中、そのカーブの軌道が変わり、打者にとらえられるようになってしまった時期があった。「腕が横振りになっているよ」という中村勝投手コーチの指摘で、原点に戻ることができたという。原因は、知らず知らずのうちに球速を出そうとしていたからだ。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 カーブにしっかり働いてもらうためには、かつて追い求めた球速を捨てなければならない。そんな“究極の選択”にも、葛藤はなかったという。「自分を受け入れて特徴を活かせば、真っ直ぐが140キロちょっとでも抑えられる。野球の面白さだと思いますし、何物にも変えがたい経験です」。

 現在、投球を数値化する試みは猛スピードで進化している。ボールの回転数や変化の方向などあらゆるものが可視化される中で、平間に言わせれば数値に出ていないものが一つだけあるという。

「球威です。球速とは全く違いますし、手元で“来ている”ボールにバッターが刺されるのは、球速に関係なく起きます。モーションも球威を感じさせる一因です。球速を捨てたら速球派じゃないのかと言えば、そうじゃない。上原浩治さんや山本昌さんを見ていればわかります。威力が伝わっていれば速球派だと思うんです」

 平間の今季成績は34試合に登板して2勝7敗2セーブ、防御率3.82。形のないところから2軍参入を果たしたチームで、先発も中継ぎも、抑えもこなした。序盤戦はリリーフで抜群の安定感を見せ、20試合に投げたところでの防御率は0.66。最終的な登板数はチーム3位で、不可欠な存在だったのがわかる。

「僕より将来的にすごい球を投げる投手は、ここの若手にもいっぱいいると思います。でも経験から得た安定感は、僕にしかありません。先発、中継ぎ、抑えの経験が全部あって、怪我を一度もしたことがありません。どんな時でも、パッと行けと言われれば投げられますし。そのための準備もできる。NPBの12球団には、困ったときの投手だと見て頂ければありがたいですね」

 レベルが上がれば上がるほど感じられる野球の奥深さ。突き付けられた課題を解決しながら、平間はあくまでもNPBを目指し続ける。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集