小林陵侑の覚醒を知っているか 欧州が「別の惑星の人間」と慄く、えげつない強さ
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子で、日本人初の総合王者が誕生するかもしれない。
今季5戦3勝&全表彰台、えげつない必勝パターンで日本人初のW杯総合王者へ
ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子で、日本人初の総合王者が誕生するかもしれない。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
22歳の小林陵侑(土屋ホーム)が11月24日の第2戦(フィンランド)でW杯初優勝を飾ると、5戦を終えて3勝。残り2戦はともに3位と開幕から1度も表彰台を逃さず、W杯総合得点でトップをひた走っている。
ジャンプ男子W杯は来年3月24日のシーズン最終戦まで、札幌を含む10か国20会場を転戦しながら、個人28戦と団体7戦が行われる。個人戦は1位100点、2位80点、3位60点……30位1点と、上位30人に対し順位に応じた点数が与えられ、その合計点で総合順位を争う。
複合では昨季、平昌で2大会連続五輪銀メダルを獲得した渡部暁斗(北野建設)が、荻原健司以来23季ぶり史上2人目の総合優勝の偉業を達成。W杯8季目を迎えたジャンプ女子では、歴代最多55勝を挙げている高梨沙羅(クラレ)が4度の総合女王になっている。
ただ、ジャンプ男子となると、長野五輪金メダリスト船木和喜の1997/98シーズン総合2位が最高だ。
これまでW杯最高成績が6位だった小林陵の覚醒ぶりも驚きだが、それ以上のインパクトを与えているのが、圧勝というのが手ぬるく聞こえてしまうほどのすさまじい勝ちパターンだ。
ソチ五輪で葛西紀明(土屋ホーム)がわずか1.3点差で金メダルに届かなかったように、この数年は接戦が当たり前。ところが、連勝でW杯2勝目を挙げた第3戦(フィンランド)では、2回目にジャンプ台記録に並ぶ147.5メートルの大ジャンプを見せつけ、2位に22点差、飛距離換算で12メートルの大差をつける完勝。2回の合計310.4点だった小林陵に対し、2位は288.4点、3位は285.4点。1人だけ別次元の空間を飛んでいたことを数字も証明する。ちなみに3勝目を挙げた第5戦(ロシア)も、2位と3位が0.3点差のミクロな戦いを繰り広げるのを尻目に13.9点差での大勝だった。