40歳シーズンで果たした“NPBデビュー” 不惑のレジェンドが一塁ヘッスラを敢行する理由「年齢は関係ない」
40歳を迎えるシーズンに初めて、憧れのプロ野球選手に――。そんなマンガのような野球人生を送っている選手がいる。今季からNPBの2軍イースタン・リーグに参加しているオイシックスの稲葉大樹内野手だ。昨季まで独立リーグで17年間、NPB入りを目指しプレーしてきた。チームがNPB2軍に“昇格”した今季も現役で迎え、8月22日には40歳に。夢の世界に飛び込んで何を感じているのか聞いてみた。(取材、文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
オイシックス・稲葉大樹、18年目の40歳が初めて触れたNPBの世界
40歳を迎えるシーズンに初めて、憧れのプロ野球選手に――。そんなマンガのような野球人生を送っている選手がいる。今季からNPBの2軍イースタン・リーグに参加しているオイシックスの稲葉大樹内野手だ。昨季まで独立リーグで17年間、NPB入りを目指しプレーしてきた。チームがNPB2軍に“昇格”した今季も現役で迎え、8月22日には40歳に。夢の世界に飛び込んで何を感じているのか聞いてみた。(取材、文=THE ANSWER編集部 羽鳥慶太)
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8月17日、蒸し暑いベルーナドームで行われた西武戦。兼任コーチの稲葉は途中まで1塁コーチャーとしてグラウンドに立っていたが、試合中盤に姿を消した。バットを握って打席に向かったのは、3-7と劣勢の7回。先頭で代打として出場すると、一塁線へ強烈な当たりを放った。ためらうことなくヘッドスライディングで一塁に飛び込み、内野安打をもぎ取った。
「闘争本能が出たんじゃないですかね」と笑う稲葉に年齢のことを聞くと、何ともすがすがしい答えが返ってくる。
「ヒットにしたい、塁に出たいというのに年齢は関係ないです。春の段階で橋上(秀樹)監督に『ファームにベテランも若手もないから』と言われていますから。そりゃ、NPBで実績のある選手は違うのかもしれませんけど、僕なんかは日本の野球界になんとかくらい付いていっている選手。ヒットを打ちたい、出塁したいという思いは若い選手と変わりませんよ」
稲葉は2007年から昨季まで、独立のBCリーグに所属していた新潟でプレーを続けてきた。兼任コーチとなってからのキャリアも10年に及ぶ。NPBが2軍への新規参加球団を公募し、そこに新潟も手を挙げた時は胸が高鳴った。
「ずっと独立リーグでやってきて、ついにNPBでできるチャンスが来た。僕からしたら信じられない、夢のような動きでした。やっぱり小さなころからの夢でしたから」