敗れた柔道団体戦の裏で…メダル「1」競泳ニッポンも危機的状況、変わる日本の「メダル地図」
競泳も危機的状況、変わる日本の「メダル地図」
総合力といえば、柔道と並ぶ日本のメダル量産競技の競泳も、危機的状況だ。獲得したメダルは銀1個。0に終わった96年アトランタ大会以来の低迷だ。もちろん、メダルの数だけで判断はできないが、男子400メートルメドレーリレーの予選敗退は低迷を象徴している。
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背泳ぎ、平泳ぎ、バタフライ、自由形でつなぐメドレーリレーは、総合力がカギ。60年ローマ大会で実施されて以来。男子は不参加の80年大会と出場を見合わせた2000年シドニー大会を除いて決勝進出を逃したことがなかった。04年アテネ大会からは3大会連続表彰台。12年ロンドン大会での「(北島)康介さんを手ぶらで帰すわけにはいかない」の名言とともに、五輪を代表する人気種目になっていた。それが今回は予選14位という信じれらない成績に終わっているのだ。
「水泳ニッポン」は東京大会での低迷をきっかけに、強化の迷走が露呈。選手から強化スタッフへの不信感がもれたり、コーチ陣の人選で迷走したり。選手が力を発揮できなかった裏には、日本水泳連盟の責任もある。柔道もさらなる低迷を招かないために、強化方針や選手選考方法の見直しなど、やるべきことは少なくないはずだ。
大会も前半の9日目を終えて、日本の「メダル地図」は変わった。体操は男子団体総合、個人総合の2冠に輝いたが、柔道は苦戦、競泳も低迷している。対照的にフェンシングはフルーレ、エペ、サーブルで計4個のメダルを獲得し、総合力を発揮している。スケートボードは東京大会から変わらぬ力を見せ、馬術では92年ぶりのメダルを獲得した。五輪の見どころは、間違いなく広がっている。
大会後半は陸上が本格化し、日本が柔道、体操、競泳とともにメダルを量産してきたレスリングが始まる。スケートボードもパークがあるし、ブレイキンの五輪デビューも楽しみ。過去安定してメダルを獲得してきたアーティスティックスイミングもある。まだまだ続くパリ五輪。楽しみな瞬間が、たくさん待っている。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)