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敗れた柔道団体戦の裏で…メダル「1」競泳ニッポンも危機的状況、変わる日本の「メダル地図」

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

男子400メートル個人メドレーで銀メダルを獲得した松下知之【写真:Getty Images】
男子400メートル個人メドレーで銀メダルを獲得した松下知之【写真:Getty Images】

「シン・オリンピックのミカタ」#58 「OGGIのオリンピックの沼にハマって」第11回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

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 今回は連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。

 ◇ ◇ ◇

 柔道の混合団体戦、決勝戦で敗れたのは残念だった。もちろん、選手たちは懸命に戦ったと思うし、圧倒的な地元の声援に乗ったフランスに勢いがあったのも事実。ただ、今回はたとえアウェーでも東京大会のリベンジは果たせると思っていたし、期待もしていた。

 東京大会の追加種目として柔道界が熱望したのが団体戦。「男女平等」というIOCの意向も考慮し、それまで世界選手権などで行われていた男女別ではなく混合団体戦を提案した。

 日本発祥の柔道の中でも、団体戦は日本独自の文化だった。町の道場や学校単位で先鋒から大将までチームを組んで争う。国際大会は体重別で、引き分けがなく、勝ち抜き戦でもないなどルールの違いはあるが「チームのために」というメンタリティーは変わらない。

 日本は男女別時代から強かった。東京五輪での実施決定を受けて17年から混合になっても、強さは変わらなかった。当初は軽量級からだったが、あまりに日本の軽量級が強くて勝敗がすぐに決してしまうため、順番を抽選にしたほど。過去7大会すべてに優勝。過去6大会は決勝でフランスを破っている。唯一の黒星が東京五輪だったが、またも五輪で勝てなかった。

 男女別のころは個人戦後の「エキシビション」色が強かったが、五輪種目となって「柔道の総合力」を争う場になった。軽量級、中量級、重量級ともに選手をそろえないと勝てないし、男子も女子も強くなければならない。だからこそ、日本は強いはずだった。

 ところが、今大会は違った。日本の金メダルは3個で、銀と銅を合わせて8個。対するフランスは金こそ2個だが総数は10個に達した。64年の東京大会以来、日本が五輪柔道で最多メダルの座を譲ったのは初めて(最多タイはある)。団体戦で敗れる可能性はあった。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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