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私、茂怜羅オズです “砂の日本代表10番”が挑む「選手兼監督兼クラブ代表」の道

サッカー・カンボジア代表の実質的な監督就任で話題を呼んだ元日本代表MF本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)。現役選手とチーム運営という“二刀流”にスポットライトが当たっているが、本田より早く、日本代表のユニホームをまといながら、クラブ運営に携わってきた男がいる。茂怜羅(モレイラ)オズ。ビーチサッカー日本代表の名手だ。

「THE ANSWER」のインタビューに応じた茂怜羅オズ【写真:岩本健吾】
「THE ANSWER」のインタビューに応じた茂怜羅オズ【写真:岩本健吾】

本田圭佑より早く“二刀流”を歩んだビーチサッカー日本代表エースの挑戦

 サッカー・カンボジア代表の実質的な監督就任で話題を呼んだ元日本代表MF本田圭佑(メルボルン・ビクトリー)。現役選手とチーム運営という“二刀流”にスポットライトが当たっているが、本田より早く、日本代表のユニホームをまといながら、クラブ運営に携わってきた男がいる。茂怜羅(モレイラ)オズ。ビーチサッカー日本代表の名手だ。

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 生まれ故郷のブラジル代表からオファーを受ける逸材でありながら帰化し、3度のW杯に出場。バルセロナでクラブ世界一も経験した“砂の上のレジェンド”は現在、東京ヴェルディビーチサッカーの選手兼監督を務める傍ら、代表としてクラブ運営に尽力もしている。「THE ANSWER」のインタビュー後編は“三足の草鞋”で奮闘する理由について。

 ◇ ◇ ◇

 インタビューの前に名刺を差し出した。こちらの動きに合わせるようにして、茂怜羅も革の名刺入れを手に、190センチの長身を折り曲げながら「頂戴します。茂怜羅オズです。よろしくお願いします」と言ってきた。その所作は古典的な日本のサラリーマンの雰囲気を感じさせる。選手であり、監督であり、クラブ代表でもある。異色の道を歩むきっかけは何だったのか。

「個人スポンサーをしてもらっている企業が東京ヴェルディとも契約していて『いつか日本のJリーグのクラブで運営したい』と社長に伝えたら、東京ヴェルディを紹介してもらった。本来は東京ヴェルディに運営してもらうのが理想だったけど、分かりやすく言えば、名前を借りている形。昨年2月に会社が立ち上がって私も選手として契約して、営業も自分でしている」

 本来はビーチサッカーの選手。企業を相手にスポンサー活動をするのは簡単なことではない。日本人に帰化し、日本語は不自由なく話せるが、ビジネスになると話は別。しかも選手としてプレーし、監督として指導しながら、だ。

「実際にやってみると、現役でプレーしながらスポンサー活動するのは大変だった。一緒にやったことのある選手を呼んできたり。チームの交通費とか、スポンサーを集めるために駆け回ったり。実際、スポンサー営業もやり方がわからない。日本語も上手じゃないし、やりながら勉強していた。去年は一番つらかった。でも、やったからこそ、つらかったとも思う」

 競技とは異なり、全く未知の世界に飛び込んだ。スポンサーを集めるといっても、何かツテがあるわけでもない。突破口となったのは、すっかり日本人の魂が宿っている茂怜羅らしい“礼節”によるものだった。

「選手として名刺交換する機会は多かったけど、もらった名刺は全部、家に置いておいた。いつ使うか分からないけど、みんな大事な会社と思ったので。じゃあ、どこから始めようと思った時に名刺があると思って、みんなに連絡したんです。それが始まり。胸スポンサーとか練習着スポンサーとか、ちょっとずつだけど、徐々に集まっていった」

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