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体操ニッポンに見た「伝承」の強さ 起源は“真似”にあり…8mmビデオから始まった「お家芸」

スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

個人総合で優勝し、橋本と抱き合って歓喜する岡慎之助【写真:Getty Images】
個人総合で優勝し、橋本と抱き合って歓喜する岡慎之助【写真:Getty Images】

「シン・オリンピックのミカタ」#39 「OGGIのオリンピックの沼にハマって」第8回

 スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。

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 今回は連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。

 ◇ ◇ ◇

 日本体操陣が「お家芸」をしっかりと継承した。団体総合の劇的な金メダルに続いて、岡慎之助が個人総合で優勝。連覇を目指しながらあん馬で落下したエース橋本大輝に背中を押され、20歳は堂々と演技した。金メダルが決まって抱き合う岡と橋本の姿を見ながら、脈々と伝わってきた男子体操の強さを見た。

「お家芸」とは、もともと歌舞伎や能、狂言などの伝統芸能で、それぞれの家に代々伝わる独特な芸、得意な芸のこと。スポーツで使われる場合でも、一過性ではなく「伝承」の強さを表す。先代から引き継ぎ、後世に残す。その繰り返しがあるから「お家芸」になる。

 五輪の体操には、伝承の歴史がある。柔道は今大会で100個目の五輪メダルを獲得したが、体操はすでに前回の東京大会で競技別では唯一の100個に到達している。半世紀以上に渡る歴史の積み重ねの上に「体操ニッポン」はある。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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