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日本、金メダル世界1位 恒例の開幕メダルラッシュの裏に日程の妙 今大会は「少し内容が違う」

今大会のメダルラッシュは「少し内容が違う」

 もっとも、今大会のメダルラッシュは少し内容が違う。前回東京大会からの新競技スケートボードのストリートで男女とも金メダル。フェンシングも個人種目で初の金メダルを獲得した。

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 さらに、総合馬術団体の銅メダルにも驚かされた。「初老ジャパン」の愛称も初めて知ったが、確かにスケートボード女子のお父さんたちの世代。32年ロサンゼルス大会金メダルの「バロン西」以来92年ぶりのメダル獲得だから、その偉業ぶりが分かる。

 柔道の活躍は素晴らしい。前回東京大会の金メダル9個はホームアドバンテージもあったが、16年リオデジャネイロ大会の3個、12年ロンドン大会の1個と比べても躍進している。体操の団体も見事。大逆転での金メダル獲得は、日本中を沸かせた。

 そんな有力競技とともに、メダル量産に貢献している競技があるのが今大会の特徴だ。すべての団体球技の予選を突破したように、どの競技でも日本勢が活躍している。パリで実施される32競技のうち、日本はテコンドーを除く31競技に出場。開催国枠などで全32競技に選手を出すフランスに次ぐ数字だ。

 16年10月、当時のスポーツ庁鈴木大地長官が発表した競技力向上の国の支援方針「鈴木プラン」では、実績のある特定の競技だけでなく幅広く競技の競技力を上げることが「持続可能」な強化だとした。

 単にメダルの数だけを目指すのであれば、有力な競技に資金を投入して強化すればいい。実際に、東京大会の前には「重点競技」に強化費も重点配分していた。ただ、東京大会以降も続く日本スポーツ界のことを考えれば、より幅広い競技が国際的に活躍し、子どもたちの選択肢が広がることも重要。タレント発掘、競技間の交流、強化支援の充実などの施策が、今大会で成果をみせているともいえる。

 後半には総数で4位ながら金メダル数では柔道に次ぐレスリングもある。陸上にも期待できる。ブレイキンなど新しい競技も有力だ。前半のメダルラッシュが終盤まで続きそうなのが、今のチームジャパン。まだまだ、寝不足の日は続きそうだ。

【前回東京大会までの競技別メダル獲得数】

    競技     金 銀 銅 計
(1)柔道      48 21 27  96
(2)レスリング   37 21 18  76
(3)体操      33 34 36 193
(4)競泳      24 27 32  83
(5)陸上       7 10 10  27
(6)バレーボール   3  3  3  9
(7)スケートボード  3  1  1  5
(8)ボクシング    3  0  5  8
(9)重量挙げ     2  3 10  15
(10)ソフトボール  2  1  1  4

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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