日本、金メダル世界1位 恒例の開幕メダルラッシュの裏に日程の妙 今大会は「少し内容が違う」
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
「シン・オリンピックのミカタ」#35 「OGGIのオリンピックの沼にハマって」第7回
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
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今回は連載「OGGIのオリンピックの沼にハマって」。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和と、五輪を含めスポーツを40年追い続けた「OGGI」こと荻島弘一氏が“沼”のように深いオリンピックの魅力を独自の視点で連日発信する。
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日本選手のメダルラッシュが続く。30日までで金7個、獲得数の国別ランクで、米国や中国を抑えて1位だという。ただ、五輪序盤で日本がメダルを量産するのは恒例。日本の得意な競技が、前半に集中しているからだ。
前回の東京大会まで、日本が獲得したメダルは499個。最も獲得しているのが体操で金33個を含む103個、次ぐのが金48個の柔道で銀、銅を合わせて96個、3番目が金24個の競泳で83個。この3競技が大会序盤に行われるから、日本が開幕ダッシュするのは当然ともいえる。
五輪の日程は大会組織委員会が決める。有力選手がいる種目を序盤に持ってきたり、人気種目を観客動員が期待できる週末に実施したり。もっとも、IOCとの調整は必要で、競泳の前半と陸上の後半など大枠はほぼ決まっている。
64年東京大会では、新たに実施された柔道が終盤に行われた。「体操ニッポン」が金メダルを量産した体操も後半。バレーボール女子の「東洋の魔女」と合わせて、大会後半の金メダルラッシュで盛り上がった。
その後、体操が前半に移動し、柔道も92年バルセロナ大会から前半に固定された。日程が変わった背景には、日本の「力」もあったと言われる。五輪ムードを盛り上げ、テレビ視聴率を上げるために、メダル獲得が有力な競技を前半にまとめたわけだ。
92年大会以降、日本人の五輪の見方が固まった。前半は日本選手を応援し、後半は陸上100メートルなど世界のスーパースターに酔う。そんな「日本人にとっての五輪」が続いてきた。