[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

開催国以外唯一の「7」、日本が世界最高の球技大国といえる理由 パリ五輪は「団体球技の五輪」に

団体球技全7競技出場は開催国を除けば世界唯一

 今大会は、日本にとって「団体球技の五輪」になりそうだ。サッカー、ラグビーをはじめ、バレーボール、バスケットボールは男女とも、ハンドボール男子、水球男子、ホッケー女子、実施される全7競技に11チームの「ジャパン」が出場する。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 前回の東京大会は開催国として全競技に出場できたが、自国開催以外では過去最多のチーム数だ。バスケ男子が48年ぶり、ハンド男子が36年ぶり、バレー男子が16年ぶりに予選を突破。全7競技に出場するのは開催国フランスを除けば唯一で、日本は世界最高の「球技大国」といえる。

 球技は五輪を盛り上げる。64年東京大会ではバレーボール女子で「東洋の魔女」が金メダルを獲得。決勝戦の視聴率66.8%はスポーツ中継最高で、今も破られていない。72年ミュンヘン大会ではバレーボール男子、さらに76年モントリオール大会では「新東洋の魔女」が金メダルを獲得し、バレーボール人気を引っ張った。

 もちろん、バレーボールだけではない。68年メキシコシティ大会ではサッカーが銅メダルを獲得、96年アトランタ大会では1次リーグでブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こした。2000年代にはソフトボール、野球もお茶の間を沸かした。前回大会まで日本が獲得した499個のメダルのうち、球技は21個。そのどれもがドラマチックで、語り継がれるものばかりだ。

 球技の魅力は、試合が続くこと。日本がメダルを量産してきた柔道は1日で終わる。競泳、レスリング、体操なども予選から決勝まで数日。メダルへのムードが段階的に盛り上がることはない。しかし、球技だと1試合1試合、何日もかけてメダルに近づく過程がファンを引き付ける。

 男女サッカー、男女バレーボールにはメダルの期待がかかるし、前回大会銀メダルのバスケットボール女子は、それ以上の金を狙う。ハンドボール男子やバスケットボール男子は、現実的にベスト8入りが目標。あまりなじみのない競技も行われる五輪で、球技はルールも分かりやすい。応援の熱をストレートに発することができる。

 一昨年のサッカーW杯、昨年の野球WBCに刺激を受けて各競技が五輪予選で活躍したように、開幕前のサッカーの好発進が他の日本代表チームに勢いをもたらすはず。「チームジャパン」の戦いが始まった。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)


W-ANS ACADEMY

1 2

荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集