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渡邊雄太「まだスタートラインに立っただけ」 目指す選手像を激白「生き残るには…」

渡邊にとって良きモデルとなるのは、ジャズの職人的プレーヤー

 そう考えた上で、プレースタイル的に参考にすべきNBA選手というと? 渡邊が名指ししたのはユタ・ジャズで活躍するジョー・イングルス。身長203cmのオーストラリア人スイングマンで、渡邊と同じくサウスポーの職人的プレーヤーだ。

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「シュート、ディフェンスが凄く上手い選手。ただ、彼はそれだけではなく、ピック&ロール、ドライブ、パスも上手いオールラウンダーですね。NBAの中では能力的には他の選手と比べて高いわけではないんですけど、プレーが凄く賢くて、色々なポジションでプレーできるというのが強みでもあります。自分がNBAで生き残っていくために、ああいう選手になっていかなきゃいけないと思います」

 イングルスと渡邊のプレースタイルの相似点に関しては、NBA取材では日本人の第一人者であるライターの宮地陽子氏も指摘していた。実際にジャンパーと守備力が基盤の長身オールラウンダーというだけでなく、左利きであること、ドラフト外入団の外国人選手であることなど、2人の間に共通する部分は非常に多い。

「イングルスはもうすでにチームの顔的になってますよね。(目指すべきは)ああいう主役にもなれるけど脇役にもなれるといった感じの選手です」

 2014年に入団当初は目立たない存在だったイングルスだが、4年目の昨季は30歳にして平均得点、リバウンド、アシスト、FG成功率のすべてでキャリアハイの数字をマークした。遅咲きの好漢は、2017年夏にジャズから4年5200万ドルという好契約をゲット。今季は自己最高をさらに更新するペースで得点を稼いでおり、確かにもはや単に“脇役”とは形容しきれない選手になった。メインの働きもできるのだから、いわば“超ロールプレーヤー”とでも呼ぶべきか。

 今はじっくりと経験を積んでいる渡邊も、数年後には同じようにNBAで立場を確立することを期待したいもの。目指すはスーパー・ロールプレーヤー。まだ少々気が早いが、自分のことだけでなく、目標とすべき選手のこともよく知り、プロレベルでも少しずつ確実に成長している渡邊なら、いつかそんな位置に辿り着いてももう驚くべきではないのだろう。

(杉浦 大介 / Daisuke Sugiura)

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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