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突然告げられた10年ぶりの主将復帰 35歳リーチ、戸惑いから鬼に変わった日本一までの改革

胴上げで直立不動だったリーチ【写真:矢口亨】
胴上げで直立不動だったリーチ【写真:矢口亨】

若手が証言「リーチさんの頑張っている姿しか見たことがない」

 25歳のHO原田衛は言う。「リーチさんは頑張っている姿しか見たことがない」。泥臭い背中についてきた若手は、チームの中核を担うまでに成長。リーチも「(今の若手は)試合に出たいだけじゃなく、日本代表になりたい、スーパーラグビーでプレーしたいという意欲がある。練習量が素晴らしい」と向上心をもらい、燃料にした。

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 14勝1敗1分でレギュラーシーズン2位通過。8季ぶりに決勝までたどり着いた。相手はスター軍団の埼玉。0-3の前半10分、自陣残り数センチでリーチが渾身のディフェンスタックルを決めた。その後はトライの応酬でシーソーゲーム。リーチは仲間を、敵を観察した。

「相手の表情も試合中に暗くなっていく。こっちは明るくなって、それに気づいた。でも、今度はペナルティーをもらって相手が元気になって、自分たちが暗くなって。そこから相手が勢いづいてトライを獲られたり」

 仲間には必ず名前を呼んでから声を掛けた。「よくやったぞ」「いいジャンプ」「ナイススクラム」。無骨な顔に気持ちを乗せた。山場は17-20と逆転された後半30分。「勝手なことをしない。自分たちのラグビーをしよう」。緊迫した土壇場こそ規律が乱れ、1人が前に出ると隙を突かれる。意思統一させ、同34分の逆転トライに繋げた。

 3度宙を舞った人生初の胴上げ。慣れておらず、189センチ、113キロの巨体は空中で直立不動だった。「しっかり体幹を決めました」。ファンへの挨拶で場内一周中もヘッドギアを着けたまま。「失くさないように」。素朴な語り口に会見場は笑いに包まれた。「今日は帰ってビールを飲んで一晩を過ごしたい」

 日本代表は6月22日のイングランド戦(国立競技場)でエディー・ジョーンズHCの初陣を迎える。「選ばれたら行きますよ。まだまだトップでやれる自信もある」。日本ラグビーにリーチ・マイケルあり。35歳の凄みを示すシーズンになった。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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