石巻に「幸せ」を― ラグビー元日本代表主将・菊谷崇らが被災地・石巻工で「夢応援」
目指すは「打倒・仙台育英」…目標を全員の前で個々に発表、その理由とは?
今回も独自の指導を施した。13日は練習指導だけでなく、練習終了後にグループディスカッションを実施。生徒が自らの考えで行動に移してほしいという思いからだ。生徒を少人数のグループに分け、今のチームの特徴、花園出場の切符を得るためにどう行動すべきかなどを話し合い、各グループで発表。それぞれの意見を踏まえ、全員でチームの目標を設定した。
最終的に生徒たちが掲げた目標は「打倒・仙台育英」。さらに、それを達成するために具体的な行動も挙げていった。
「ラグビー以外の日頃の生活においても挨拶をしっかり心がける」、「練習用具を磨いて大切にする」、「タックルバックに仙台育英のジャージーを着させる」、「次のプレーに移る時に相手よりも早く準備をする」、「対戦相手がいない普段の練習時には隣のチームメイトよりも早く準備をする」、「良いプレーをしたら褒め合いお互いを高め合う」などの様々な具体的な内容が出るまで、菊谷は生徒に問いかけ続け、意見を引き出していった。
翌14日に行われた試合では、出し合った意見を行動に移す生徒たちの姿があった。試合には勝利することはできたが、まだまだやるべきこと、課題も多いと感じていた菊谷と天野は、試合後に再び部員たちを集めた。前日に定めた「打倒・仙台育英」のチーム目標に対し、今度は花園予選までの生徒個々の目標を考えさせ、全員の前で発表する目標宣言も実施した。
個々の目標を発表させたのは、狙いがあった。「チームだけでなく、個人としても目標に対して具体的な行動に移すことで、“チームの誰かがやってくれるだろう”という考えをなくし、自らの意思で行動に移してほしい」と菊谷は話す。
目標宣言後には、天野、菊谷それぞれから生徒たちへメッセージを送った。