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「世界には間違った日本の印象がある」 涙の退団、助っ人クレクが4年間で知った日本人の温かみ

バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージ(FS)の5位決定戦が30日、東京・有明コロシアムで行われ、レギュラーラウンド(RR)3位の名古屋が同5位の日本製鉄堺に3-2(25-27、25-22、25-17、16-25、15-13)で勝利した。今季で退団するポーランド代表のバルトシュ・クレク主将にとって名古屋での最後の試合。怪我で出場はなかったが、試合後にはチームメイトに胴上げされ、笑顔でコートを後に。取材には涙も見せた。

名古屋での最後の試合を迎えたバルトシュ・クレク【写真:中戸川知世】
名古屋での最後の試合を迎えたバルトシュ・クレク【写真:中戸川知世】

バレーボールVリーグ1部ファイナルステージ

 バレーボールのV1リーグ男子ファイナルステージ(FS)の5位決定戦が30日、東京・有明コロシアムで行われ、レギュラーラウンド(RR)3位の名古屋が同5位の日本製鉄堺に3-2(25-27、25-22、25-17、16-25、15-13)で勝利した。今季で退団するポーランド代表のバルトシュ・クレク主将にとって名古屋での最後の試合。怪我で出場はなかったが、試合後にはチームメイトに胴上げされ、笑顔でコートを後に。取材には涙も見せた。

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 2時間17分の熱戦は相手のタッチネットで幕を閉じた。昨季王者の名古屋は5位。それでもコートには笑顔が溢れた。そこには今季限りでチームを去るクレクの姿も。チームメイトに胴上げされ、「自分の最後の試合で勝てたのでハッピー」とはにかんだ。

 ポーランド代表で世界選手権優勝、W杯準優勝などの実績を持ち、世界選手権やネーションズリーグではMVPも受賞した35歳。2020年に来日し、2季目からはキャプテンも任された。昨季は7季ぶりのリーグ優勝に導くなど、チームの飛躍に貢献した。

 Vリーグでも最高殊勲選手賞をはじめ、数々のタイトルも受賞。実力は誰もが知っている。だが、それ以上に強調されるのがチームメイト、監督から認められる「人間性」だ。

 代表兼シニアゼネラルマネジャーの横井俊広氏も称賛を惜しまない。「練習に臨む姿勢、毎日自分を追い込んで常にベストの状態に持っていこうと努力する姿はチームに影響を与えた。人格も練習への姿勢も世界一。みんなクレクのようになってほしい」。その言葉からは偉大さが伝わってきた。

 一方でクレク本人は「世界には間違った日本の印象がある」と言う。「日本人は人と距離を取りたがると思われているが、これは違う。4年間、沢山の人にサポートしてもらったし、チームメイトからも愛をもらった」。そう話す目には光るものがあった。

「あまりにも長い時間を過ごした」と振り返った日本に別れを告げ、海外に拠点を移す。詳しい情報は「もう少し待って」と笑いながらも、「自分のキャリアにおける冒険で、扉を閉ざしたことは一度もない」と力強い。世界最高峰を知るオポジットの物語はまだまだ続いていく。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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