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【現地記者の目】村田諒太、V2戦は将来左右する大一番 勝てばミドル級戦線トップへ

実力伯仲と目される一戦、圧勝なら米国内にも大きなインパクトが

 ……と、ここまで村田にとってのドリームプランに近いシナリオを展開してきたが、少なくともゴロフキン戦の実現まではもう単なる夢物語ではない。そんな可能性が十分にあるからこそ、冒頭で述べた通り、今週末に迎えるブラントとの2度目の防衛戦は大きな意味を持ってくる。23勝(16KO)1敗のブラントは派手さこそないものの、豊富なアマチュアキャリアを持つ実力派。28歳と年齢的にも今が旬で、確かなスキルを持っているだけに、簡単に勝てる相手ではもちろんない。

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 この試合が決定後、米放送局「ESPN」のダン・ラファエル記者は「50/50に近いファイト」と記していた。一般的には“やや村田が有利”と目されている感はあっても、日本人王者が一方的に勝つと考えている関係者はほとんどいない。逆に言えば、実力伯仲と目されているこの一戦で圧勝すれば、生み出されるインパクトも大きくなるはずだ。

 米国では動画配信サービス「ESPN+」で生配信されることもあり、できればKOで、それが難しくとも何らかの山場を作り出す必要がある。誰にも文句を言われないだけの支配的な内容は必須。ハイライトがESPNの看板番組である「スポーツセンター」で取り上げられるような勝ち方ができたとき、今戦の目的は果たされる。

 そんな思惑通りになるかどうか――。10月20日、日本が生んだロンドン五輪金メダリストのお手並みを改めて拝見といきたいところだ。

(杉浦 大介 / Daisuke Sugiura)

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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