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【現地記者の目】村田諒太、V2戦は将来左右する大一番 勝てばミドル級戦線トップへ

ゴロフキンとのメガマッチにつながる可能性十分

 最近は徐々に知名度を上げている村田にとっても、北米では飛び抜けた人気を誇るカネロとの決戦実現は容易ではない。カネロは12月15日の次戦ではニューヨークのマディソンスクウェア・ガーデンでWBA世界スーパーミドル級王者ロッキー・フィールディング(英国)に挑み、3階級制覇を目指すことが決定。正直、好カードとはいえないマッチアップであり、恒例となった5、9月のビッグイベントの間に挟むいわば“調整試合”といった趣のファイトか。

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 英語で言うところの“Stay busy fight”で3階級目に挑戦できてしまうところがこの選手の商品価値の証明であるが、ワンオフのスーパーミドル級戦後にはミドル級に戻る可能性が高い。来年以降もカネロには多くの対戦相手の選択肢が存在する状況で、世界が舞台の壮大な椅子取りゲームに村田が勝てるかどうかは微妙なところだろう。

 そんな現実を理解してか、日本からの報道を聞く限り、村田陣営は来春にゴロフキンを挑戦者として日本に迎えるプランを頭に置いているようだ。ゴロフキンはもともと日本でのビッグマネーファイトに色気を見せていたこともあり、帝拳サイドがその気であれば、この試合の交渉はカネロ戦と比べてはるかに容易。ゴロフキンが王者だった時代と比べて興行スケールはやや小さくなるが、それでも日本ボクシング史上に残る一戦であることに変わりはない。

 そして、必ずしもこの試合がゴールではない。村田が37歳になったゴロフキンの壁を突破するようなことがあれば、夢はさらに広がる。その際には“リョウタ・ムラタ”は業界最大級のホットネームとなり、カネロをはじめとする他のトップファイターからの興味も確実に惹きつけるはずである。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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