WBCチェコ監督、待望の再来日も「患者24人が待っている」 愛する日本に長居できない切実な事情
昨年3月の野球ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で一躍有名になったチェコ代表のパベル・ハジム監督が日本に帰ってきた。「必勝ハチマキ」で話題になった名物監督は、今月6、7日に行われる「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2024日本vs欧州代表」の欧州代表一塁コーチとして再来日。「第二の故郷」と愛する日本に滞在できることを喜びつつ、「患者が待っているので……」と長居できない切実な事情を明らかにした。(取材:THE ANSWER編集部・鉾久真大)
「必勝ハチマキ」で話題になったチェコ代表ハジム監督の独占インタビュー
昨年3月の野球ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で一躍有名になったチェコ代表のパベル・ハジム監督が日本に帰ってきた。「必勝ハチマキ」で話題になった名物監督は、今月6、7日に行われる「カーネクスト侍ジャパンシリーズ2024日本vs欧州代表」の欧州代表一塁コーチとして再来日。「第二の故郷」と愛する日本に滞在できることを喜びつつ、「患者が待っているので……」と長居できない切実な事情を明らかにした。(取材:THE ANSWER編集部・鉾久真大)
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“兼業コーチ”ならでは悩みだ。欧州代表の一塁コーチを務めるハジム氏に、4日に練習試合が行われた大阪・京セラDで話を聞いた。「日本は第二の故郷。戻ってこられてとても幸せです。言葉では言い表せないぐらいです」。溢れんばかりの笑顔を見せたが、愛する日本を満喫する時間は限られている。
「(試合翌日の)金曜日に帰らないといけないんです。月曜日には24人の患者が待っているので」
ハジム氏は母国で神経科医を務めている。WBCチェコ代表は、ほとんどのメンバーが野球以外の仕事に就いていることが話題となった。「15分おきに予約が入っているんです」。多忙な医業も、野球の監督・コーチ業も「ストレスがかかる」のは一緒だと笑う。
今回の欧州代表には、ハジム氏と同じく“兼業”スタイルを貫くマルティン・ムジーク内野手もいる。WBC1次ラウンド中国戦では、9回に劇的な逆転3ランを放った。本職は地元野球クラブのグラウンドキーパー。何か変化はあったか本人に直接尋ねると「WBC以降、より注目を集めるようになりましたが、僕の人生は何も変わっていません。今も芝を刈ったりする仕事をして、楽しみのために野球をしています」と明かしてくれた。
寿司が大好きな2人は日本食も楽しみにしているが、仕事を休んで極東まで飛んできた理由はグラウンド上にある。ムジークは「日本や米国だけじゃなく、欧州にも優れた野球があることを示したい。ここで日本に勝ってそれを証明したい」と意気込む。ハジム氏も「私たちがこのレベルで出来るぐらい優れていることを、世界王者とも戦えることを示したい」と声を揃えた。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)