今年は國学院大が完全制覇、箱根ランナーが走る沖縄の大学駅伝とは 駅伝が叶える“島おこし”
國學院大が全区間で区間賞 1区・野中が抜け出す
レースは、2カ所に1kmほど続く上り坂がある1区(19.5km)から動いた。野中恒亨(國學院大1年)、鬼澤大樹(順天堂大3年)、橋本章央(芝浦工業大4年)が終盤まで競り合っていたが、そこから野中が抜け出し、59分16秒で区間賞を獲得。10000mで28分台の記録を持ち、有力と見られていた兵藤ジュダ(東海大2年)は1時間2分16秒で1区7位と出遅れ、タスキを繋いだ後に道に倒れ込んだ。
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
野中は「すごく起伏が大きく、海風もあってめちゃくちゃ足にきました。すごい汗をかいたけど水分補給をして脱水対策はできました。残り4km過ぎくらいで全体のペースが落ち着き、自分がちょっと前に出たところで『このまま行き切っちゃおう』と思って、そのまま行きました」とレース展開を振り返った。新チームとなってから初めての駅伝だったため、「大事な一歩目の駅伝でチームに流れをつくれたことは良かったです」と笑顔を見せた。
國學院大は今年の箱根でアンカーを務めた2区(21.8km)の高山豪起(2年)がさらに後続との差を広げ、特に高低差の激しい3区(20.2km)の田中愛睦(1年)と4区(20.4km)の佐藤快成(3年)もトップを堅持。最終5区の本山凛太朗(3年)も単独走ながらペースを乱さず、後続に背中を見せることなく陸上競技場に戻り、詰め掛けた島民から「ワイドー!」の声援や拍手を浴びながらゴールテープを切った。
5区のランナーたちが走った正午過ぎは気温が20度を超え、本山も「景色を楽しむ余裕はなかった。海風も強くて、きつかったです」と苦笑い。それでも「沿道に来てくれた地域の皆さんにたくさん応援していただき、力が出ました」と語り、初優勝を喜んだ。今年の箱根で高山は10区10位、田中は7区7位、野中と佐藤は登録メンバーに入った一方、自身はメンバー入りできなかったため、「この大会をきっかけに自分もチームの核になりたい。箱根優勝を狙っているので、個人としてもチームとしても頑張りたいです」を意気込んだ。
國學院大は全区間で区間賞を獲得する完全優勝。同大は2000年代に入ってから大学駅伝界で頭角を表し、直近では箱根で6年連続でシード権を獲得しており、悲願の箱根初制覇に向けて幸先のいいスタートとなった。2位には3分33秒差で順天堂大が入った。両大学のタイムは大会新記録。4人のみで参加した東京国際大は途中棄権した。
最終成績は以下。
1位 國學院大 5時間11分09秒(大会新記録)
2位 順天堂大 5時間14分42秒(大会新記録)
3位 専修大 5時間22分37秒
4位 東海大 5時間24分40秒
5位 芝浦工業大 5時間27分17秒
6位 法政大 5時間27分54秒
DNF 東京国際大
OP 大学連合
OP 沖縄選抜