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ブラジルの名SBロベカルがライバルと認めた男 「辛い決断」から築いた日本での名声

セレソンへの夢を諦め、横浜FM黄金期の一員として活躍

「僕は欧州へ行きたかった。でもクラブが相当な金額をふっかけて実現を阻んだ」

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 さらにフランスW杯を翌年に控えた1997年には、監督と衝突し、以後短期のレンタルを繰り返すことになる。やがて欧州からの誘いは減り、結局2001年に横浜FMからの短期レンタルを受けることになった。

「短い貸し出しだから、終わったらブラジルに戻るか、欧州に出ようかと考えていた。でもレンタル期間が終わると、マリノスから『もう1年残ってくれないか』と言われた。正直なところ、辛い決断だった。日本にいたら、たぶんセレソンの監督には見てもらえない。代表で活躍する夢は終わったんだ、と考えるしかなかった」

 しかし、その後の横浜FMでの活躍は周知の通り。ロベルト・カルロスとセレソンのSBを争った実力は、日本のピッチでしっかりと証明された。

(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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