「なんで捕らんかったん、なんで弾いたん…」 日本失意の夜、久保竜彦のボヤキが冬の中目黒に漏れた
サッカー・アジアカップカタール大会は19日、グループリーグ第2戦で世界ランク17位日本が同63位イラクに1-2で敗れた。歴代最長の国際Aマッチ連勝記録が「10」で止まり、決勝トーナメント(T)進出はお預け。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会で独自の解説がひそかに話題となった元日本代表FW久保竜彦が今大会も東京・中目黒のTHE ANSWER編集部を訪問し、試合を観戦した。高校からJリーグ広島に入団した当初の先輩で、結婚する際、入籍届の保証人になってくれた“心の師”森保一監督が率いる日本代表を見守ったドラゴン。独自の視点で振り返った解説インタビューに先駆け、その様子をレポートする。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
THE ANSWER好評企画が復活、ドラゴンが編集部で日本代表戦を観戦
サッカー・アジアカップカタール大会は19日、グループリーグ第2戦で世界ランク17位日本が同63位イラクに1-2で敗れた。歴代最長の国際Aマッチ連勝記録が「10」で止まり、決勝トーナメント(T)進出はお預け。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会で独自の解説がひそかに話題となった元日本代表FW久保竜彦が今大会も東京・中目黒のTHE ANSWER編集部を訪問し、試合を観戦した。高校からJリーグ広島に入団した当初の先輩で、結婚する際、入籍届の保証人になってくれた“心の師”森保一監督が率いる日本代表を見守ったドラゴン。独自の視点で振り返った解説インタビューに先駆け、その様子をレポートする。(文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
◇ ◇ ◇
加速度的に変化する世の中だから、変わらないものの大切さを教えてくれる。
一張羅の黒のジャージにビーチサンダル。
「動物って、みんな真っ裸やん。(服を)着てるのは人間くらいやろ。はだしが本来、一番速いんよ。靴を履いたら、どっかで甘えんのよな、きっと」
最近ガラケーから新たに替えたガラケーを手に、“ビーサン論”を語りながら、今夜も久保竜彦は中目黒にやってきた。
現在の生活拠点のある山口から東京まで東海道・山陽新幹線で4時間半近く。「飲んどったよ。5、6杯。当たり前やん。新大阪からはもう寝とった」。まもなく長女に第1子が生まれ、47歳のおじいちゃんになるドラゴンは、今も私たちが知るドラゴンのままだ。
時を遡ること1年と少し、日本に「ブラボー!」と「ななふぅん!」がこだましたカタールW杯。
引退後、自由を求めた山口の港町・室積でコーヒー焙煎に、塩作りに野菜作りと、異色のキャリアを歩む。そんな伝説のストライカーの感性を4年に一度のW杯で輝かせたい。編集部に呼び寄せ、缶ビールを飲みながら日本戦を観戦・解説する企画を実施。当時、一部サッカーマニアの間で好評を呼んだ。
ポケットからガラケーが落っこちるほど興奮した熱狂をもう一度――。今回も二つ返事で快諾してくれた。
14日、ベトナム戦。
かつて日本代表時代に“天敵”といわれたトルシエがベトナムの監督をしていることに目を剥きながら、4-2で白星発進。歓喜の缶ビール350ml×3本。「トルシエ。今、監督なん。(当時は)大嫌いやった。(通訳の)ダバディは好きやったけど。でも、ベトナム強くさせたよな」
あれから中4日でやってきた編集部。近所にある宮崎料理の居酒屋で腹ごしらえ。アサヒ瓶ビール6本で入念に喉を潤す。
久々に再会した編集部の女性スタッフに「何歳になったん? あ、今そういうのはダメなんか」と、やたら「○○ハラ」が叫ばれる令和の空気を感じながら、皿に残った卵焼き1切れを見て「遠慮の塊やん。そういうのはあかん。食べたいやつが食べたらええ」と、時代が変わっても貫くべき信念は曲げない。
そんなまっすぐな男の言葉だから、日本代表に発する言葉もどこか愛が滲む。