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桐生祥秀、織田記念で9秒台の期待大 専門家指摘、「風」と「宿敵欠場」が記録後押し

「断トツ」の状態が9秒台をアシスト「風次第で9秒98、97が出てもおかしくない」

 秋本氏がさらに、10秒0台をマークした回数は日本人で桐生が最も多いことを挙げた上で、そのレース展開に注目した。

「それらのレースは全部、彼が断トツで走った時にタイムが出ている。彼は高3で10秒01を出しています。ほかの選手と競うわけがなく、自分のレースができ、リズムが崩れる外的な要因がなかった。日本のトップに行くと、ケンブリッジ、山縣君などが出てくると現状は崩れやすくなってしまい、いざ勝負となった時に自分のレースができなくなる可能性はあると思います。

 ジュニア世代から圧倒的な強さを誇ったがゆえの課題を指摘したが、「断トツ」の状態では無類の強さを発揮することは間違いない。

「今回に関しては山縣君がいない、断トツの走りが予想される桐生君は、風次第で9秒台を出す可能性はかなりあると思います。9秒98、97くらいが出てもおかしくない」

 伊東浩司が98年に10秒00を出してから19年間、破ることができなかった壁。「風の影響は大きいし、運もある。でも、桐生君、山縣君はそういう風に左右されずに0台を連発しているところが、日本のこれまでにない進歩。早く追い越してほしい思います」と秋本氏が期待を込めたように、日本の短距離ランナーは着実に進化を遂げている。

 果たして、悲願の9秒台がマークされるのか。多くのファン、専門家も期待を込めた夢の大記録をかけ、4月29日午後3時50分、広島で号砲が鳴る。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

【伊藤友広プロフィール】

高校時代に国体少年男子A400mにて優勝。アジアジュニア選手権の日本代表に選出され400m5位、4×400mリレーではアンカーを務め優勝。国体成年男子400mにて優勝。
アテネ五輪では4×400mに出場。第3走者として日本過去最高順位の4位入賞に貢献。
国際陸上競技連盟公認指導者資格(キッズ対象)を取得。
現在は、秋本真吾氏らと「0.01 SPRINT PROJECT」を立ち上げ、ジュニア世代からトップアスリートまで指導を行っている。
http://001sprint.com/

【秋本真吾プロフィール】

2012年まで400mハードルのプロ陸上選手として活躍。オリンピック強化指定選手にも選出。200mハードルアジア最高記録、日本最高記録、学生最高記録保持者。
2013年からスプリントコーチとしてプロ野球球団、Jリーグクラブ所属選手、アメリカンフットボール、ラグビーなど多くのスポーツ選手に走り方の指導を展開。
地元、福島県「大熊町」のために被災地支援団体「ARIGATO OKUMA」を立ち上げ、大熊町の子供たちへのスポーツ支援、キャリア支援を行う。
2015年にNIKE RUNNING EXPERT / NIKE RUNNING COACHに就任。
現在は、伊藤友広氏らと「0.01 SPRINT PROJECT」を立ち上げ、ジュニア世代からトップアスリートまで指導を行っている。
http://001sprint.com/


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