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代表落選しても勝者に笑顔を向けた理由 柔道五輪王者・高藤直寿「互いにしんどいんですよ」

柔道日本代表を争う苦しみを理解、高藤「こういうのはお互いずっと…」

 ニッポン柔道は世界で最も層が厚い。1階級1枠の代表争いは伝統的に熾烈を極め、掴み取るまでにそれぞれの苦しみがある。それを味わう時間は生き残る者が最も長く、重い。それは相手も同じ。だから、高藤は勝者に笑顔を向けた。

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「こういうのはお互いずっとしんどいんですよ。その気持ちはわかります。日本の60キロ級は強くないといけない。永山選手には五輪で勝って頑張ってほしい。だから、『頑張れよ』って伝えました」

 自身も大一番の重圧を「息ができんかったっすね」と振り返る。進退は熟考の方針だ。

「そんなにたくさん欲張っちゃうといけないのかなと。獲るものも獲ったし、僕の時代は終わったのかなと思う。オジサンは今日なんとか頑張りました。(今後)やりたいことはいっぱいある。でも、僕にとって五輪が全て。また考えます」

 座席を埋めた観客の拍手は、畳を下りる両者に注がれていた。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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