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女子12人の年350日サバイバル共同生活 元フェアリーJが語る、新体操代表の舞台ウラ

選出の6人と落選の3人…分かれた明暗を乗り越え、辿り着いた北京五輪

「2か月前の練習で集合がかかり、『今からメンバーを発表します』と。当時のメンバーは9人いたんですが、互いに『この子はいける』『もしかしたら』という感触はそれぞれ分かっていたんじゃないかと思います。実際に呼ばれた時はすごくうれしくて、今まで支えてくれた家族や、育ててくれたコーチにオリンピックで踊る姿を魅せる事が出来る。行ける6人と行けない3人。泣き崩れる3人を見るとすごく複雑な気持ちになりました。この3人のためにも頑張らないと、と思いました。コーチに『あの姿を焼き付けておきなさいよ』と言われたことがとても印象に残っています」

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 仲間の無念を背負い、挑んだ北京五輪は10位となった。「一人でここまで来られたわけじゃない。いつも支えてくれた家族の感謝だったり、一緒になって生活をしてくれたコーチ、そしてメンバーと悔し涙じゃなくうれし涙を流したいと思い、ありがとうという思いを持って挑みました」。今なお、フェアリージャパンの共同生活のスタイルは取られている。

「新体操は練習の時間が多ければ多いほど強い。練習量がものを言う競技だと絶対に思います。昔は、練習は苦手だったけど、やればやった分だけ自信になる瞬間を実感して『努力ってこういうことか』と思ってからは五輪に出たければ、やらなければいけないという気持ちが強くなりました。団体の魅力は心強いということ。ライバルだけど、フロアに立っている5人はすごく絆の深い仲間でもある。声をかけ合い、助け合い、慰め合い、外にはわからない5人だけの時間という感じは個人にはない心強さがあります」

 新体操を引退し、現在はTBS系「KUNOICHI」など身体能力を生かしてテレビ番組に出演するなど、タレント業としても活躍。ヨガの指導も行い、活動は多岐にわたっている。現在29歳。自身を育ててくれた新体操という競技から学んだことは何だったのか。

「努力の大事さを知れたことです。自分に託された大技をもし習得できたらレギュラーを獲れると思うと、その技だけは絶対にやりたいという気持ちが持てました。自分は自信が持てないタイプでしたが、繰り返していくうちにできた時は感動するし、試合で成功した時には自信にもなる。もう一つは自分を客観視しないと周りを見られないとコーチに言われ、団体は自分が焦ると足を引っ張るし、演技も乱れる。もう一人の自分を隣に置き、その自分と相談しながら冷静に、という作業は今も生きています」

 そして、今後についても「まずは多くの人に知ってほしい。芸術スポーツである以上、個性を出せる選手がどんどん出てきて成長してくれたら」と語った坪井さん。「フェアリージャパン」と新体操界の明るい未来を、今なお願っている。

(15日掲載予定の後編では「フェアリージャパンが戦う世界新体操の見所」を語る)

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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