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大谷翔平の参加は? どうなる野球の五輪選手問題、IOCは最強チームが原則 サッカーはなぜ特例OK?

サッカーに「23歳以下」の制限付きが認められている背景

 問題なのは、五輪がシーズン中に行われること。シーズン開幕前のNBAとは事情が異なる。ロス大会で追加競技となったフラッグフットボールへの出場に意欲をみせるNFL選手もいるが、こちらも開幕前。サッカーもオフシーズン。野球だけがプロの公式戦と丸被りする。

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 20年東京五輪では、日本のプロ野球が初めてシーズンを中断したが、過密日程の中で難しい判断だった。64年の東京大会の時はシーズンを前倒しし、3月上旬という異例の早期開幕。南海が阪神との初の関西ダービー(当時そんな言い方はしなかったが)を制して日本一になったのは、東京で五輪開会式が行われた10月10日の夜だった。

 日本以上に日程が過密なMLBでは、シーズンの中断は非現実的。1チームからの出場人数を制限しても、不公平感は残る。さらに、MLBは独自にWBCを開催し、こちらは「世界一決定戦」として成功している。五輪に協力する意味は希薄なようにも思える。

 IOCが求めるのは「最も優れた選手」の参加。20年東京五輪の追加競技を承認する16年のリオ総会でも「MLB選手は出るのか」「MLBの協力は」と、質問は野球に集中した。一括採決だったためにサーフィンなどとともに承認はされたが、IOC委員たちの「トップが参加しなければ、五輪では実施させない」という厳しい姿勢が印象的だった。

 中には「トップ選手」が全面的に参加していない競技もある。サッカーはすでにW杯があることからトッププロの参加を拒否。国際サッカー連盟(FIFA)とIOCは何度も衝突してきた。もっとも、野球と違うのは世界的に人気で、大きな収入源になること。1992年バルセロナ大会から、妥協案として「23歳以下」の制限付きでプロが全面解禁された。

 IOC側はあくまで「トップ選手」の参加を要求し「オーバーエージ枠」を提案。FIFAは当初反発していたが、結果的に普及のために女子競技を五輪で採用するのと引き換えに96年アトランタ大会から3人のオーバーエージを容認した経緯がある。特例となった背景には「意外とFIFAとIOCは仲がいい。話し合いが決裂すればどちらも困るんだよ」(小倉純二元FIFA理事)という一方的ではない力関係があった。

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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