「0-114」から目指す花園 元日本代表主将が石巻工に伝えた言葉「1か月で変われる」
最大のライバル仙台育英には新人戦で0-114の大敗
今年もチームの目標は、仙台育英に勝って悲願の花園出場を決めること。花園予選は現在仙台育英が22連覇中。石巻工業はここ4年連続で決勝で敗れており、今季こその思いが年々強まっているのだ。
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しかし今季は新人戦で仙台育英に0-114という大敗を喫したところからのスタート。夏の県高校総体では7-59と失点は半分近く減らしたが、まだ大きな差がある。勝つためにはロースコア。設定した目標スコアは「20-15」だった。それを踏まえての、準々決勝のレビュー。菊谷氏が映像を見ながら、チームの強み、弱み、得意なところ、苦手なところを個々に質問していく。そこから、逆算して「仙台育英に勝つためには何が必要か?」を突き詰めて行く。
首脳陣からも指摘があったのが、コミュニケーションの拙さ。互いの声かけが少なく、意思疎通がままならない。ディフェンスでは危機を招き。アタックではチャンスをつぶしてしまうという。実際の試合を見ながら、「これは何のミス?」「声がない?どのタイミングでの声がないの?」など菊谷さんと選手がディスカッションを重ねていく。「どういう声を出した?」「どのタイミング?」と鋭く、一人一人に問題意識を投げかけていった。
元日本代表の主将と試合についてディスカッションすることは、普段の部活動ではまずできない経験だ。最初は戸惑い気味だった生徒たちも次第にヒートアップ。自身たちが抱える課題について、より明確になっていったようだ。ディスカッションは約2時間続き、初日は終了した。
晴天となった2日目はグラウンドでの実技指導。明らかになった課題である、コミュニケーション力の向上に狙いを絞っての、ゲーム形式のトレーニングを行った。
9人ずつ3チームに分けてのタッチフット(タックルをタッチに置き換えた実戦形式の練習)。2種類のメニューを使い分けて、生徒たちに声を出す大事さを教え込んだ。どちらのメニューも周りからの適切な声が出なければ、ディフェンス、アタック共にスムーズに運ばない。瞬間的なコミュニケーションの大切さを痛感させられるメニューだ。