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「五輪なくなって可能性広がるかも」 28年ロス五輪まさかの除外も“ブレイキンの顔”が前向きなワケ

アーバンスポーツTOKYO 2023のトークショーでブレイキンの魅力を語るShigekix【写真:荻島弘一】
アーバンスポーツTOKYO 2023のトークショーでブレイキンの魅力を語るShigekix【写真:荻島弘一】

五輪だけにとらわれない新しいスポーツの価値観

「五輪がすべてではない」のは、ブレイキンだけではなく、すでに五輪競技のスケートボードやスポーツクライミング、サーフィン、BMXフリースタイルなどに共通する価値観。五輪が「唯一」または「最高」の目標になる他の多くの競技とは選手の考え方も違う。

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 もちろん、五輪で実施されることで環境は大きく変わる。強化費やスポンサー料など、経済的な面でも大差がでる。何よりも注目度が違う。ただ、アーバンスポーツと呼ばれる競技には、それぞれ大切にしている独自の文化がある。五輪の力を借りなくても、カルチャーとしての強さがある。だから、五輪から外れても「可能性は広がる」のだ。

「また五輪に戻ることがあるかもしれないし、そうでなくてもブレイキンは変わらない」と、明るい表情で言った。自らが信じ、夢中になってきたダンスに、絶対的な自信がある。IOCや大会組織委員会の「大人の事情」で五輪に入ろうが、外れようが、ブレることはない。ブレイキンの、そしてShigekixの強さを感じた。

「多くの子どもたちが、楽しく踊っているのがうれしいですよね」。徳川将軍家ゆかりの増上寺。日本が誇るBボーイ(男子ブレイクダンサー)は、子どもたちが踊るステージに上がると、一緒に笑顔で体を動かした。パリ五輪、コンコルド広場で、Shigekixは五輪だけにとらわれない新しいスポーツの価値を見せてくれるはずだ。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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