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32歳大迫傑は「期待を裏切らない」 2度目のMGC、恩師・渡辺康幸「プロとしてかっこいい姿を」

陸上のパリ五輪マラソン日本代表を決めるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が10月15日、国立競技場を発着とする東京都内のコースで開催される。男子の代表争いの中心になるのは、東京五輪6位入賞の大迫傑(Nike)だ。2015年にプロ選手として単身アメリカに渡り、以降日本の長距離・マラソン界に大きな影響を与えてきたフロントランナーは、2度目の五輪マラソン代表選考会でどのような走りを見せるのか。

大迫傑【写真:Getty Images】
大迫傑【写真:Getty Images】

早稲田大で指導、パリ五輪出場を狙う教え子の現在地を語る

 陸上のパリ五輪マラソン日本代表を決めるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)が10月15日、国立競技場を発着とする東京都内のコースで開催される。男子の代表争いの中心になるのは、東京五輪6位入賞の大迫傑(Nike)だ。2015年にプロ選手として単身アメリカに渡り、以降日本の長距離・マラソン界に大きな影響を与えてきたフロントランナーは、2度目の五輪マラソン代表選考会でどのような走りを見せるのか。

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 ここでは指導者であり、マラソン・学生駅伝の解説でもお馴染みの渡辺康幸氏(住友電工陸上競技部監督)に、教え子である大迫の現在地と、レースでの戦いぶりを占ってもらった。(取材・文=牧野 豊)

 ◇ ◇ ◇

 大迫が迎える2度目の五輪マラソン代表選考会、MGC。4年前のMGCでは終盤の競り合いに敗れて3位となり、代表内定を決められず。MGC後のファイナルチャレンジシリーズで東京五輪のマラソン代表3枠目を手に入れ、五輪本番でも日本人最高となる6位入賞を果たしたが、MGCで2度負けるわけにはいかない。

 早稲田大学時代、大迫の世界志向の意図を汲み、その後の進むべき道標をつけた恩師の渡辺氏は、大迫のプロとしての強さに敬意を表しながら、MGCでの走りに期待を寄せる。

「改めて思うのは、大迫選手はあらゆる面でプロランナーであるなということです。彼はお金のために走れる選手。非常にシンプルです。日本の実業団の選手もレベルは上がっていますが、その点の意識はまだ緩い部分があります。前回のMGCで賞金がつかなかったことを彼が指摘したら、今回はつくようになったわけですが(男女各1位=1000万円、2位=500万円、3位=250万円)、プロとしては当然のこと。だから勝つために走る動機づけが、より明確になっていると思います」

 今年の5月で32歳となりベテランの域に入りつつある。だが、大迫に「年齢は全く関係ない」と渡辺氏は言う。むしろMGCという大舞台で、経験を積み重ねてきたプロランナーとしての矜持を変わらず見せてくれるのではないか――。そんな思いを抱いている。

「彼にとっては気持ち、モチベーションがすべてです。結果を出してナンボの世界でずっと生きてきたわけですし、MGCに出る以上、プロとして負ける姿を見せるわけにはいかない。我々からしても、プロランナーとしてかっこいい姿を見せ続けてほしい部分もあります。それは私が彼の元指導者だからというだけでなく、彼のファンにとっても同じだと思います。走り続ける以上、そうした期待に応えることも彼の使命であると思いますし、彼自身もそう思っているはずです」

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牧野 豊

1970年、東京・神田生まれ。上智大卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。複数の専門誌に携わった後、「NBA新世紀」「スイミング・マガジン」「陸上競技マガジン」等5誌の編集長を歴任。NFLスーパーボウル、NBAファイナル、アジア大会、各競技の世界選手権のほか、2012年ロンドン、21年東京と夏季五輪2大会を現地取材。22年9月に退社し、現在はフリーランスのスポーツ専門編集者&ライターとして活動中。

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