公式のMVPに隠れたラグビー日本のMVP アルゼンチン戦へ、窮地で輝いた代役SH齋藤直人の重要性
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会は28日(日本時間29日)、プールD第3戦で世界ランク13位の日本が28-22で同12位サモアを下した。勝ち点4獲得で2勝1敗。イングランドに次ぐ組2位に浮上し、2大会連続の決勝トーナメント(T)進出に王手をかけた。チーム内MVPに選ばれたのはSH齋藤直人。先発予定だった流大の負傷欠場で急遽代役を任されたが、窮地で見せた活躍はアルゼンチン戦との最終戦への好材料となる。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
ラグビーW杯
ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会は28日(日本時間29日)、プールD第3戦で世界ランク13位の日本が28-22で同12位サモアを下した。勝ち点4獲得で2勝1敗。イングランドに次ぐ組2位に浮上し、2大会連続の決勝トーナメント(T)進出に王手をかけた。チーム内MVPに選ばれたのはSH齋藤直人。先発予定だった流大の負傷欠場で急遽代役を任されたが、窮地で見せた活躍はアルゼンチン戦との最終戦への好材料となる。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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齋藤は自らに言い聞かせていた。まだ公にはリザーブ出場が前提とされていた試合前日の会見。負けたら自力突破が消滅する正念場でも、「プレッシャーにはならない」と繰り返した。しかし、実際には流の負傷により先発の可能性を告げられ、少し重圧を感じていたという。
W杯初スタメン。周囲から鼓舞する言葉を多くもらったが、ここまでの2戦で9番を背負った流の一言が特に耳に残った。
「勝たせてこいよ。思いっきりやれ」
託された26歳は持ち味を存分に発揮した。速いテンポで攻撃の起点となり、SO松田力也とコンビを形成。日本らしい素早いアタックを生み出し、サモア防御を揺さぶった。敵陣22メートルラインへの侵入回数はサモアが上回るものの、日本は少ない攻撃回数で効率よく得点。前半から2トライを演出した。
「正確に先発が決まったのは直前。ただ、常にどっちでも行けるようにしていた。準備はそんなに変わらないので、そこで動揺することはなかったです。やっぱり準備が大事。試合前からチームメートやいろいろな人に声をかけてもらって、自信を持ってやりきれた」
後半35分、代表0キャップだった福田健太にバトンを渡すまで任務を遂行。「勝てて本当によかった」。大会発表のプレーヤー・オブ・ザ・マッチ(POM)は、再三突破に成功したFBレメキ・ロマノラバが選ばれたが、チーム内MVPの「ソード(刀)賞」は齋藤に。レメキはトライを奪った姫野和樹、リーチ・マイケルらを称える一方、「今日は直人。直人はめっちゃよかった」と認める存在感だった。