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勝てば天国、負ければ地獄の「戦争」 元Jリーグ助っ人が語るダービーの“重み”

「ダービーは戦争だからね。サポーターからは言い表せないような汚い言葉が飛び交い、負けた後は2週間くらい散歩にも出られない」――パベル・ジェハーク

日本人の想像を超える因縁の関係

「ダービーは戦争だからね。サポーターからは言い表せないような汚い言葉が飛び交い、負けた後は2週間くらい散歩にも出られない」――パベル・ジェハーク

 日本人選手のダービーでの活躍が続いている。

 ブンデスリーガ2部のシュツットガルトに所属するFW浅野拓磨は、9日に本拠地で行われた第28節カールスルーエとのダービーマッチで2ゴール。第11節のアウェーゲームでも1得点を決めており、今季ここまでの4ゴールのうち3ゴールを、宿敵相手に挙げている。

 ダービーで輝けば、そのインパクトは数倍にもなる。ドルトムントのMF香川真司も、欧州移籍1年目の2010-11シーズン第4節シャルケ戦で2ゴールを挙げてサポーターの心を鷲掴みにし、以来このカードでは重用されている。1日に行われた今季第26節の一戦でも1アシストを記録し、相性の良さを示した。また古くは1994-95シーズンに、セリエAのジェノアでプレーした三浦知良(現横浜FC)もサンプドリアとのダービーマッチで得点したことが、今でもファンの記憶に深く刻み込まれている。

 そんなダービーの“重み”を教えてくれたのが、チェコ出身でJリーグでは選手と監督の両方を経験したパベル・ジェハークだった。1991年に来日し、東日本JR古河(ジェフユナイテッド千葉の前身)に加入する前は、同国の名門スラビア・プラハの主将を務めていた。

 一方、プラハでライバル関係にあるスパルタ・プラハの主将だったイヴァン・ハシェックも、1994年に来日し、サンフレッチェ広島に加入するのだが、二人は同郷でありピッチ上で何度も顔を合わせながら、母国にいる間は言葉を交わしたこともなかったそうだ。

「親しくするようになったのは、日本に来てからだよ」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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