「戸惑う暇があるなら世界を目指せ」 田中希実が自分に喝、ぶっちぎりV4の要因は「心の安定」
2度の合宿で手にした「心の安定」
昨年7月のオレゴン世界陸上は800メートル、1500メートル、5000メートルで日本人初の個人3種目に出場。今年4月からNew Balance所属となり、プロ転向した。今季は1500メートルと5000メートルの2種目を軸に練習。「今は一人で練習することが多いけど、プロになって垣根なくたくさんの方の協力を仰げる。凄くプラスになっています」
【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら
3分59秒19の日本記録を持ち、東京五輪8位入賞した1500メートルは5月21日のセイコーゴールデングランプリ(GGP)を4分11秒56で制した。同大会の前後には岐阜・御嶽で高地合宿。同じ場所でも、1度目と2度目で心境が大きく違った。自分に厳しくても、前向きな気持ちの割合が昨年より増している。
「GGPのラスト1周でしっかり上げることができたので、もっと上を目指したいという自信と、もっとチャレンジしたいという気持ちを持って2回目の御嶽合宿に臨めた。今日の走りに繋がったと思います。やっぱり私の場合は精神面が凄く大きく左右する。幼い頃から親しんできた場所で集中して練習できたことが心の安定に繋がった」
今大会での代表内定はならなかったが、期間内に参加標準記録4分03秒50を切れば内定。世界ランクでも世陸切符獲得の可能性はある。4日の5000メートル決勝で勝てば、史上初となる両種目での2年連続2冠だ。
「他の選手にないスピードを見せたいです。世界のトップに手が届くかという場所の横並びにはたくさんの選手がいる。その中でもがいていきたい」
心を占めていたネガティブ要素も減ってきた23歳。残り1レースで出し切れるか。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)