【パンパシ水泳】萩野公介が明かす“最強のライバル”の想い「大也と『頑張ったね、俺ら』って」―
繰り返した「やっと」の言葉、右肘故障から復活へ「準備ができた感じ」
忘れがたい屈辱も経験した。15年。バイク練習中に転倒し、右肘を骨折した。レースに出られないどころか、手術の影響によってクロールの泳ぎが崩れたのだ。
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「簡単に言うと、左右のバランスが違くなってしまった。やはり、怪我をして手術をしてメスを入れると、感覚的なものも変わるし、それが自分の体に馴染むのに時間もかかる。手術すると力が入らない状態から始まるので、まずは右肘に力が入るようにとリハビリから始まる。でも、泳げるようになって、ただ力を入れればいいのかといったら水泳はそうではない。抜くところは抜く。
僕の頭の中のイメージだと右肘を信頼すると思っているけど、信頼して力みをなくして可動域を最大限に使って、力を入れる時に力を入れるみたいなイメージを持たなきゃいけない。そういう考え方でいないと、左肩の使い方が変になって、バランスが崩れる。頑張っているけど、ただ疲れるだけの泳ぎみたいになってしまうので。そういう感覚が去年はずっとありましたね」
水泳人生を支えていた大事なパーツの一つの感覚が変わる。「最初はもの凄く気持ち悪かった。自分の体じゃない気がするし、そこの一部だけが。でも、今は良くなって、やっと慣れた」と吐露。リオ五輪で金メダルを獲ってなお、求める理想には遠かった。「やっと」という言葉を繰り返し、「準備ができた感じです」と本来の萩野公介を取り戻しつつあることを明かす。
それを証明するために負けられないパンパシ水泳。前回14年大会で、国際大会で初めて金メダルを獲得し、リオ五輪の金メダルにつなげた。自身にとっても思い出深い大会でもある。
「2014年は1年を通して調子が良くて、いい結果が出たシーズン。そこでの結果が2015年は骨折して試合も出られなかったけど、14年の結果やトレーニングが16年に結びついたのは間違いないし、今年もそういう1年にしていきたい。今年はそれこそ東京で開かれるので辰巳の会場がお客さんでいっぱいになるくらい僕らも頑張らなきゃと思うし、なってほしいです」
そのためにどんな泳ぎを見せてくれるのか。言葉に自然と力がこもる。
「やっぱり良い勝負をして勝ちたいと思っているし、東京で行われる国際大会なので自分の出場する種目は全部優勝したい。それは簡単なことではないと思うけど、皆さんに良い泳ぎを見てもらえるようにしていきたいと思います」
最大目標の2020年東京五輪へ、萩野公介が日本の夏を熱くする。
◇パンパシ水泳、テレビ朝日系列で連日中継 パンパシ水泳は今日9日に開幕し、テレビ朝日系列では最終日まで4夜連続ゴールデンタイムで放送(9、10日は一部地域除く)。
(THE ANSWER編集部)