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練習しすぎで「明日が憂鬱ではいけない」 日本で高校生指導、元Jリーグ助っ人が説く大切なこと

日々の練習では「明日が楽しみな状態で今日を終える」ことが一番大事

 そしてストヤノフが、長く続けるために何より強調するのが「楽しむ」ことだ。

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「今日のトレーニングが終わったら、明日は何をできるようにしようか考える。その繰り返しが選手たちを成長させます。そのためには、今日トレーニングをやり過ぎて、明日が来るのが『やばい……』と憂鬱になるようではいけない。明日が楽しみな状態で今日を終える。これが一番大事なんです」

 不安や緊張を抱えてプレーをするのではなく、楽しく伸び伸びと試合に臨む。こうした姿勢から、バルカン諸国で根づいた「美しいサッカー」が育まれてくるのだという。

「必要以上に緊張していたら自分を表現するのが難しくなる。選手たちにはエンジョイとスマイル。それが最も必要なんですよ」

 日本に住み始めて18年目になる。まだ流暢な日本語ではない。しかし少ないボキャブラリーでも積極的に明るく話しかけてくるストヤノフは、すでに選手たちの心を掴んでいるそうである。(文中敬称略)

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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イリアン・ストヤノフ

元ブルガリア代表DF 
1977年1月20日生まれ。ブルガリア出身。現役時代は高い技術を備えたセンターバックで、母国の名門レフスキ・ソフィアなどで活躍すると、ブルガリア代表として2004年のEUROに出場した。2005年にジェフユナイテッド千葉に加入。イビチャ・オシム監督の下でリベロとして存在感を示すと、同年のナビスコカップ(現ルヴァンカップ)初優勝に貢献した。2007年からはサンフレッチェ広島、2011年からファジアーノ岡山でプレーしスパイクを脱いだ。引退後も日本に留まり、山口県でFCストヤノフサッカーアカデミーを開校。2021年にはカマタマーレ讃岐コーチを務め、今年から相生学院高校サッカー部のコーチに就任した。

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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