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岩井千怜&明愛、父が教えた人を思いやる心 ミスしても不貞腐れず「笑ってプレーしなさい」

笑顔のプレーを教えた当初「引きつりながら笑っていました」

 雄士さんは自称「月1ゴルファー」。姉妹は小学1年から地域の陸上クラブに入っていたが、「一緒に行くか」とゴルフの練習に誘ったことをきっかけに8歳で競技と巡り合った。この日の激闘を終えた30分後。雄士さんは「そりゃあ嬉しいですよ。小学生の持久走大会や運動会を見ているような気持ち」と笑う。愛娘に明るくプレーする大切さを伝えた理由を教えてくれた。

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「不快だからですよ。不貞腐れたり、態度に出すと見ている人や、一緒に回る人が不快になるでしょう。(姉妹は)最初は引きつりながら笑っていました。今も貫いてくれていますね」

 上手くいかなければ、感情が出てしまうのは普通のこと。子どもならなおさらだ。道具に当たってしまう子もいて当たり前。だが、他人も思いやりながらプレーするのがゴルフ。岩井家では大切なことが伝えられていた。「けど、無理強いしたことはないですよ」と雄士さん。「最初に言ったことを自分たちで確立していってくれた。こちらからガミガミ言ったことはありません」

 最終日の8番から9番へ向かう途中。通路脇にいたのは2人の少女ファンだった。「頑張ってください!」。歩いてきた最終組の明愛へ、緊張した面持ちで声をかけた。明愛は目を合わせ、「ありがとうございます!」とクールに返答。2人は「かっこいい~」と痺れていた。時間にすればたったの2秒ほどだが、嬉しかった記憶は長く残るはず。その場の空気も明るくなった。

 6961人の大ギャラリーを巻き込み、姉妹自らも楽しんだ一日。雄士さんも「本当に楽しかったです」と感慨深げに漏らした。母・恵美子さんは、山下の母とPOを観戦。「2人でキャー、キャーと言って、ドキドキしていました(笑)」と激闘に興奮気味だった。「最高のプレゼントになったかな」。母の日に想いを馳せる千怜も、怒涛の一日を楽しんでいた。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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