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W杯後に理解した本田圭佑らの言葉の意味 30歳で初出場、乾貴士が衝撃2ゴールで得たものとは

本田圭佑や岡崎慎司がW杯前に語っていたこと

 日本はベスト16でベルギーに敗れたが、国を背負って戦うことの意味やW杯の1試合が持つ重みを、身をもって体験することができた。

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 その時、乾は初めて本田圭佑や岡崎慎司(現シント=トロイデン)が語っていた言葉の意味を理解できた。

「ワールドカップを経験する前、飛行機の中で圭佑くんと岡ちゃんと話をしていたんです。その時、2人から『ワールドカップの試合は1年間、リーグ戦を戦うよりも凄く経験値が上がる。そこでいろんなものを得られる』と言われていたんです。その時はピンとこなくて、どういうことなのか分からなかったのですが、ロシアが終わった後、“そういうことなんや”って思いましたね」

 ロシアW杯後のシーズンにベティス、アラベスと渡り歩いた乾は、2019年夏に1年ぶりにエイバルへ復帰。31歳で3年契約を勝ち取った。

 30歳を超えても魅力的なオファーを得て、古巣に戻ることができたのは、もともとあった乾への信頼とともにW杯での活躍がクラブを動かしたからに他ならない。これも本田や岡崎が言っていた、W杯で得られる“いろいろなもの”の1つだと乾は感じている。

【第1回】「泣きながら練習に行った」乾貴士の少年時代 “セクシーフットボール”へ導いた先輩への憧れ

【第2回】「こんなにレベル高いのか」 憧れのスペイン移籍初日、乾貴士のサッカー観を変えた衝撃

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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乾 貴士

サッカー元日本代表 
1988年6月2日生まれ、滋賀県出身。野洲高2年時に“セクシーフットボール”と呼ばれた攻撃的なサッカーで高校選手権初優勝。2007年に横浜F・マリノスでJリーグデビュー、翌08年のセレッソ大阪への期限付き移籍を機に香川真司とのホットラインを確立し飛躍した。11年夏にドイツ2部ボーフムへ移籍すると、翌シーズンからは同1部フランクフルトでプレー。15年にはエイバルと契約し、念願のスペイン上陸を果たす。リーガ・エスパニョーラで通算6シーズンを戦い、166試合16得点はともに日本人選手の最多記録。C大阪への復帰を経て、昨年7月に清水エスパルスに加入。2年目の今季は自身14年ぶりのJ2を戦う。日本代表通算36試合6得点。18年ロシアW杯では2ゴールを奪い、日本のベスト16進出に貢献した。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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