400mmのレンズで狙った三浦璃来、木原龍一組 どうしても撮りたかったのは2人の笑顔
フィギュアスケートの世界選手権が22日、さいたまスーパーアリーナで開幕した。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載する。今回はペアショートプログラム(SP)の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)。今季世界最高となる自己ベスト80.72点で首位発進した演技のフィニッシュで、会心の笑顔を狙った。
フォトグラファー・矢口亨のフィギュア世界選手権フォトコラム
フィギュアスケートの世界選手権が22日、さいたまスーパーアリーナで開幕した。「THE ANSWER」はフォトグラファー・矢口亨氏のフォトコラムを連日掲載する。今回はペアショートプログラム(SP)の三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)。今季世界最高となる自己ベスト80.72点で首位発進した演技のフィニッシュで、会心の笑顔を狙った。
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国内の競技会に参加するのは昨年11月のNHK杯(北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)以来、約4か月ぶり。同年12月の全日本選手権(大阪・東和薬品RACTABドーム)にもエントリーしていたが、練習拠点のカナダから帰国する際の航空機の大幅遅延とロストバゲージで欠場となった。
私は当時、到着した会場での2人の悔しそうな顔を見ていただけに、この日は笑顔の写真をどうしても撮りたかった。
フィニッシュシーンがよく見えるジャッジスタンド後方右のエリアから400mmのレンズで狙った。最高の演技を終えて木原が後ろから三浦を抱きしめる。ファインダー越しの表情から感じたのは、日本のファンの前で最高の演技を披露できた喜びと安堵。
「無事にSPを終えることができて本当に安心しています。トロントでやってきた練習のいいものを今日、全て出し切ることができたので本当に良かった」と木原。厳しい鍛錬の時間や順風満帆なだけではない日々。沢山のものを積み重ねているからこそ、2人の笑顔はより輝いて見える。
■矢口 亨 / Toru Yaguchi
フォトグラファー。山形県上山市生まれ。上智大を経て02年に報知新聞社入社。12年ロンドン五輪、21年東京五輪、22年北京五輪などを取材。フィギュアスケートの撮影は19年の世界選手権(埼玉)から。今年2月に退社し、フリーに転身。著書に写真集「羽生結弦2019-2020」「羽生結弦2021-2022」など。
(矢口 亨 / Toru Yaguchi)